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「人質司法の最も悲惨な犠牲者」不起訴後に死亡した16歳女性 遺族が兵庫の警察官と検察官を刑事告訴
向井弁護士(左)と森議員(2026年8月3日/東京・丸の内の日本外国特派員協会/弁護士ドットコム撮影)

「人質司法の最も悲惨な犠牲者」不起訴後に死亡した16歳女性 遺族が兵庫の警察官と検察官を刑事告訴

兵庫県の女性(当時16歳)が逮捕され、不起訴後に死亡した問題をめぐり、女性の遺族が、兵庫県警の警察官3人と神戸地検の検事1人の計4人について、特別公務員職権濫用致死などの疑いで刑事告訴したことが、代理人への取材でわかった。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

●障害者への虐待疑われ逮捕、昨年12月に死亡

女性は2025年2月、母親が運営するNPO法人(障がい福祉事業所)のイベントで、知的障がいのある参加者が別の参加者に噛みつこうとしたため制止した。

後日、別の参加者が「虐待ではないか」と行政に相談。同年6月、女性は兵庫県警明石署に暴行容疑で逮捕された。

女性は容疑を否認していたが、計18日間にわたり身体を拘束された。遺族側によると、取り調べでは捜査員から「本当はやったんだろう」「少年院に行きたいんか」などと言われ、自白を迫られたという。

女性は精神的ショックから食事をとれなくなり、不起訴処分後も体調が回復せず、2025年12月14日に低栄養状態で死亡した。

遺族側は、違法な取り調べや留置場での不適切な対応によって女性が心身に不調をきたし、摂食障害を発症して死亡したと主張。今年6月、国家賠償法に基づき、国と兵庫県を相手取り、計約1億921万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。

●代理人「人質司法を終わらせるための裁判」

母親の代理人をつとめる向井義博弁護士は8月3日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を開き、次のようにうったえた。

「捜査機関が障害福祉の現場を知らずに強制捜査に及んだことが問題だと思います。重度の知的障害者などがいる事業所では、暴れた利用者をスタッフがケアする時に体に触れることがありますが、それを安易に暴行などと評価されることは非常に危険で、問題だと思います」

そして、亡くなった女性を仮名で「るなさん」と呼び、「るなさんは、人質司法が生んだ最も悲惨な犠牲者の一人だ。今回の裁判は、人質司法を終わらせるための訴訟です」と強調した。

また、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、向井弁護士は、捜査に関わった兵庫県警の警察官3人と神戸地検の検事1人の計4人について、特別公務員職権濫用致死と特別公務員暴行陵虐致死の疑いで刑事告訴したことを明らかにした。

画像タイトル 亡くなる直前に撮影された女性(会見場のスクリーンに映し出された写真を弁護士ドットコムニュースが撮影)

●元法相「被害者と共に泣く検察はどこへ」

会見には、元法務大臣で参院議員の森雅子氏(自民党)も出席した。森氏は、検察官による事件や不祥事が相次いでいることに触れ、「非常識極まりない事態だ」と指摘した。

また、法務大臣在任中の2020年に「法務・検察行政刷新会議」がまとめた報告書で、検察組織の改革がうたわれたことを挙げたうえで、次のように述べ、改めて第三者委員会の設置を求めた。

「これまで6年間、検察は取り組んでこなかった。その中で、新たな犠牲者が出ました。被害者に寄り添い、被害者とともに泣く検察はどこにいったのでしょうか。

日本の法務省(刑事局)は、国家公務員試験に合格した官僚ではなく、司法試験に合格した検事がほとんどを占めており、国民に奉仕する国家公務員としての自覚よりも、検察組織を守る自己防衛の組織になっている」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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