東京都新宿区の「新宿スポーツセンター」で、模造刀の使用禁止を知らせる張り紙が掲示され、居合道の愛好者から戸惑いの声が上がっている。
●利用者「稽古に大きな支障が出ている」
利用者の30代男性によると、今年5月11日にセンターを訪れた際、武道場に「模造刀使用禁止」の張り紙が掲示されているのを見つけた。
職員に理由を尋ねると、「安全管理上の観点から」と説明を受けたという。しかし、これまで事故やトラブルがあったとは聞いておらず、事前説明や予告もなかったことから「大変驚いた」と振り返る。
男性によると、都心部で個人が居合道の稽古をできる施設は限られているといい、「日常的な稽古に大きな支障が生じています」と戸惑いを隠さない。
●禁止ルールは数年前から存在
弁護士ドットコムニュースが新宿スポーツセンターに取材したところ、模造刀の使用禁止ルールは数年前から設けられていることがわかった。
センターの担当者によると、今年4月に施設の指定管理者が交代した後、利用者の声を聞く中で、このルールを知っている人が少ないことに気づき、改めて張り紙を掲示して周知を図ったという。
そのため、利用者の中には、張り紙を見て「最近になって禁止された」と受け止めた人もいたようだ。
●センター「近隣施設や区とベストな対応を協議中」
センターによると、禁止対象となる「模造刀」は、本物の刀と外見上ほとんど見分けがつかないものを指す。一方で、木刀や薙刀(なぎなた)については引き続き使用できるという。
担当者は「模造刀で練習したい人たちの気持ちも分かるので、どうするのがベストかを検討している」と述べ、近隣の公共施設や新宿区と協議中であることを明らかにした。
●安全管理と活動継続の両立を
男性は「居合道は日本刀を用いる武道であり、一定の安全管理が必要であることは理解しています」としたうえで、「それは他のスポーツ・武道についても同様で、本来は安全性と活動継続を両立しながら運営されるべきものではないか」と話す。
そして、次のようにうったえた。
「一律に禁止するのではなく、利用ルールや安全管理措置について、施設運営者や行政と建設的に協議しながら、双方が納得できる落としどころを模索できればと考えています」
*この記事は、読者から弁護士ドットコムニュースに寄せられた情報提供をもとに取材・作成しました。