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「子どもの性別や誕生は教えない」 玉木宏&木南晴夏夫妻も…芸能人に広がる非公表の理由、「プライバシー」だけではない
木南晴夏さん(写真:つのだよしお/アフロ)

「子どもの性別や誕生は教えない」 玉木宏&木南晴夏夫妻も…芸能人に広がる非公表の理由、「プライバシー」だけではない

俳優の木南晴夏さんと玉木宏さん夫妻に第2子が誕生した。木南さんの所属事務所が12月5日に発表した。

報道各社によると、事務所の文書には「本日が子供の誕生日ではありません。誕生日、性別等はプライバシーもあるためお伝えできないことをご容赦ください」との記載があったという。

木南さん夫妻は、2018年に生まれた第1子についても、性別や生年月日を明らかにしていなかった。

このように、芸能人や有名人が出産を公表する際、誕生日や性別といった情報を伏せるケースが近年、目立つようになっている。

こうした動きの背景には、どのような理由があるのか。エンターテインメント業界の動向にくわしい弁護士は、プライバシー保護に加え「自己決定」の観点があると指摘する。

●10年ほど前から誕生日と性別を明かさない傾向

近年、子どもの性別や誕生日を明らかにしなかった芸能人夫婦の例は少なくない。

・俳優の戸田恵梨香さんと松坂桃李さん夫妻(2023年5月に第1子出産を発表)
・俳優の大島優子さんと林遣都さん夫妻(2023年1月に第1子、同年5月に第2子出産を発表)

同様の動きは、10年ほど前から見られる。

・俳優の相武紗季さんと一般男性の夫妻(2017年10月に第1子出産を発表)
・俳優の榮倉奈々さんと賀来賢人さん夫妻(2017年6月に第1子出産を発表。生年月日は公表)

また、やや特殊なケースとして、秋篠宮ご夫妻の長女・小室眞子さんと小室圭さん夫妻の第1子出産を宮内庁が今年5月に公表したが、誕生日や性別については「伺っていない」として明らかにされなかった。

なぜ、芸能人の間で、子どもの誕生日や性別を公表しない動きが広がっているのか。結婚・出産などの相談を芸能人夫婦から受けることも多い河西邦剛弁護士に聞いた。

●子どもを「デジタルタトゥー」から守る必要性

──辻希美さんと杉浦太陽さん夫妻のように、子どもの性別を公表するパターンもありますが、芸能人夫婦が子どもの性別や生年月日を明らかにしない理由として、どのような点が考えられますか。

最大の理由は、子どものプライバシーを守るためでしょう。背景には、SNS時代特有の「デジタルタトゥー」の問題があります。

子どもが将来、幼稚園や学校に通うようになると、同級生や周りの親たちから、顔立ちが似ている、苗字が同じといったことから「芸能人の子どもではないか」と話題になる可能性があります。

それ自体は憶測にすぎませんが、そこに生年月日や性別といった情報が加わることで、特定につながるおそれが出てきます。さらに、その情報がSNSなどで発信・拡散されれば、子どものプライバシー侵害に直結しかねません。

こうした事情が考えられる以上、芸能人自身と子どもを結びつける客観的な情報をできるだけ伏せることで、子どものプライバシーを守ろうという考えが広がっているのだと思います。

誰もが気軽に利用できるSNSですが、残念ながら良識を欠いた使われ方をする場面もあります。誤った発信が他人を傷つけたり、ときに発信者自身の人生を大きく左右してしまう例も少なくありません。

こうした現実を受けて、ここ10年ほどで「子どものプライバシーをより慎重に守る必要性」が高まっているのです。

●二世デビュー時の「情報解禁」にもつながる

──将来、子どもが芸能界デビューする場合、これまで伏せてきた情報がプラスに働くこともありうるのでしょうか。

将来的に芸能活動を始める際に、「情報解禁」という形の売り出し方をするのであれば、幼少期はあえて情報を伏せておくことが、結果的にプラスに働く可能性はあると思います。

新しい情報はメディアに取り上げられやすく、注目を集めやすい傾向にあります。特に「有名俳優◯◯の子ども」として、映像とともに初めて登場する形は、一定の効果があるでしょう。

ただし重要なのは、その判断を誰がするのかという点です。子ども本人が芸能活動を望み、自らリスクを理解したうえで情報を公開するのと、親の判断で子どもにリスクを背負わせるのとでは、意味合いが大きく異なります。

●「自分のことを自分で決める」選択の余地を残す考え方

──前者のほうが「現代風」のようにも思えます。

法的にみると、プライバシー権の根本には「自己情報をコントロールする権利」という考え方があります。その結果として「秘密にしたいことは秘密にする権利」が認められています。

たとえば、性的マイノリティであることを自らのアイデンティティとして公表したい人もいれば、あえて公表しない選択をする人もいます。自分自身に関する情報をどう扱うかを決めるのは、本人であるというのが法の基本的な発想です。

1989年に国連で採択された子どもの権利条約でも、子どもは単に「守られる存在」ではなく「権利の主体」であることが重視されています。

子どもであっても、自分自身のことを自分で決めるという考え方は、個人の尊重という人権の本質と通じます。

芸能人が子どもの名前や生年月日、性別を公表しないのは、こうした価値観と同じく、子どもに将来の選択の余地を残そうとする姿勢の表れだと言えるのかもしれません。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

河西 邦剛
河西 邦剛(かさい くにたか)弁護士 レイ法律事務所
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。「清く楽しく美しい推し活〜推しから愛される術(東京法令出版)」著者。

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