東京都港区(清家愛区長)は9月30日、区立幼稚園で発生した幼児同士のいじめ類する行為をめぐる申し立てに関する調査報告書(9月26日付)を公表した。
報告書によると、2人の幼児(A児とB児)はもともと同じ保育園に通っていたが、B児の強い口調や自慢などの言動によって、A児は登園を渋るようになり、区立幼稚園に転園した。
その後、B児も同じ幼稚園に転入し、A児を追いかけるなどしたため、A児は登園できない状況が続いたという。
A児の保護者は4月25日、区教育委員会に申し立て、「心身的に重大な被害が生じた疑いがある」として、トラウマ反応(PTSDの疑い)が記載された診療計画書も提出していた。
●「心理的に心を痛めた状況が確認された」
調査は4月28日から9月17日まで実施されて、幼稚園や保育園の関係者や、保護者らへの聞き取りを通じて、A児が心理的に心を痛めた状況が確認された。
報告書は(1)いじめに類する事案の早期認知に向けた取り組み、(2)迅速かつ実効的に調査する体制の整備、(3)幼稚園と関係機関の連携強化、(4)判断ルール・フローの確立──などを提言している。