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新浪剛史氏がサントリー会長を辞任、CBDサプリめぐり「潔白」主張も 日米で異なるCBD規制の落とし穴
Ira_Evva / PIXTA(ピクスタ)

新浪剛史氏がサントリー会長を辞任、CBDサプリめぐり「潔白」主張も 日米で異なるCBD規制の落とし穴

サントリーホールディングスの新浪剛史元会長が、THC(大麻由来成分)を含むサプリメントの購入をめぐって警察の捜査を受け、会長職を辞任した問題が波紋を呼んでいます。

報道によると、新浪氏は「法を犯しておらず潔白」と主張し、捜査機関による尿検査でも陰性結果が出ているとのことです。なぜ辞任に至ったのでしょうか。また、最近街中でよく見かけるCBD製品の法的な扱いはどうなっているのでしょうか。弁護士の視点から分析します。

●なぜ辞任したのか

報道によると、新浪氏は今年4月、出張でアメリカを訪れた際に、現地で市販されていたサプリメントを適法だという認識で購入し、アメリカの知人に日本に持ち帰るよう依頼したということです。

知人はそのサプリメントを持って日本を訪れ、新浪氏の自宅に郵送しましたが、そのサプリメントは、「おそらく家族が廃棄したものと考えている」と供述しているとのことです。

ただし、本人は「違法な成分が入っているものではない」と主張しており、実際の捜査過程でもTHC成分が入ったサプリメントは発見されておらず、簡易尿検査でもTHC成分は検出されていません。

それでも辞任に至ったのは、会長という立場で捜査を受けることで、会社に多大な迷惑をかけることを懸念したからだと考えられます。特にサントリーは健康食品やサプリメントも販売する会社であるため、トップが疑いをかけられること自体が企業にとって大きなマイナスになります。

捜査機関としては、今後はたとえば別の保管場所があるのではないかという疑いや、友人のために購入したという話についても、詳しく調査を進めるでしょう。しかし現時点では特に証拠があがっているわけではなく、疑いをかけられたことをもって、新浪氏が責任を取る形で辞任したということです。

●日米で異なるCBD規制の落とし穴

今回の問題を理解するには、CBDの法的位置づけを知る必要があります。

CBD(カンナビジオール)は大麻草から抽出したもののうち、違法成分であるTHCを除去したものなので、基本的に違法ではありません。

ただし、ここに重要な落とし穴があります。アメリカと日本ではCBDの適法基準が異なるのです。アメリカではTHC成分が0.3%程度まで許容されるのに対し、日本ではそれよりもはるかに厳しい基準が適用されています。

つまり、アメリカで合法に購入したCBD製品でも、たとえばTHCが0.2%程度含まれていれば、日本では違法となる可能性があります。

では、日本で販売されているCBD製品は安全なのでしょうか。有名メーカーの製品については、きちんと検査した上で販売しているため、基本的に安全だと考えられます。

問題は、ネットで購入した偽物や粗悪品です。パッケージに「THCは一切入っていない」と表示されている製品を選んで購入し、それを摂取した場合、たまたまTHC成分が入っていたとしても、「犯罪の故意がない」ため違法にはならないはずです。

ただし、故意がなくても客観的にTHC成分が入った製品を購入・摂取していた場合には、捜査される可能性はあります。捜査されるだけでも大変な負担ですから、正直なところ、個人的にはあまり積極的に利用したいとは思いません。

●海外製品には特に注意が必要

特に注意が必要なのは、海外でCBD製品を購入することや、海外土産としてCBD製品をもらうことです。基準が違うため、アメリカでは合法でも日本では違法になる可能性があります。

例えば、サプリメントに「THC0.2%含有」などと明記されている製品を持参・使用していた場合、「日本ではこれがダメなのを見てわかるだろう」と判断されかねません。個人輸入も同様のリスクがあるため、避けた方が賢明です。

弁護士ドットコムニュース記者・小倉匡洋(弁護士)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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