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てんちむ、過去の「大麻使用」謝罪…「現地が合法」なら大丈夫じゃないの?
てんちむCH(https://www.youtube.com/watch?v=iHQx8x4JAwg)より

てんちむ、過去の「大麻使用」謝罪…「現地が合法」なら大丈夫じゃないの?

俳優の伊勢谷友介さんの逮捕など、芸能人による薬物使用はたびたび大きく注目をあつめる。

人気ユーチューバーの「てんちむ」こと、橋本甜歌(てんか)さんも先日、自身のYou Tubeチャンネル上で、豊胸の事実を隠していたことや、過去に大麻を使用したことを謝罪した。先立って、別のユーチューバーから、過去の大麻使用について暴露されていた。

●「現地が合法なら大丈夫なのではと誤認識していました」

橋本さんは9月2日、You Tubeチェンネルを更新して、豊胸の事実を隠していたことを謝罪した。そのうえで、「今回ほかにも、応援してくださっているみなさまにショックを与えてしまうような、裏切ってしまうような、私の行動について重ねて謝罪させてください」と述べた。

「使用時には認識しておらず、さらに現地が合法なら大丈夫なのではと、二重に誤認識していました。表に出る仕事をする人間として、自覚のない極めて軽率な行動だったと深く反省しています。応援してくださっているみなさまにもショックを与えてしまい、本当に申し訳ございませんでした」(橋本さん)

具体的には明かしていないが、大麻のことだと思われる。橋本さんによると、その後は日本国内も含めて一度も使用していないという。橋本さんは「今回の件を真摯に受け止め反省し、同じ過ちを二度と繰り返さぬよう今一度自分を見つめ直し、前進していけるよう努めていきたいと思います」と繰り返した。

●弁護士「絶対に手を出すべきではない」

実は、国内で大麻を使用することについては、処罰対象から除外されているが、大麻を所持したり、譲り受けたり、譲り渡したなどの場合、大麻取締法により処罰される。現実的には、使用の過程で、所持・譲り受けなどがあるので、大麻取締法に抵触することになる。

一方、海外では、そもそも大麻の所持等が合法になっている国もある。もし、日本人が「合法国」で大麻を所持したり、譲り受けたりした場合はどうなるのだろうか。刑事事件にくわしい中村勉弁護士は次のように解説する。

「大麻取締法は、所持・譲り受け・譲り渡しの罪については、『刑法第二条の例に従う』と規定しています(大麻取締法第24条の8)。刑法第2条とは、日本国外での行為について、日本国民が我が国の刑法で処罰される場合を定める規定です。

つまり、大麻の所持・譲り受け・譲り渡しの罪については、国外でおこなわれた場合であっても、大麻取締法違反として処罰されることになります。大麻が合法化されている国だからといって、日本人が大麻を購入すること等は認められていません」

ただし、実際には捜査が難しいことなどから、立件そのものはむずかしいという。中村弁護士は「違法な行為であるのは間違いなく、海外での使用体験で常習者となって、結果的に刑務所行きとなるリスクもあるので、絶対に手を出すべきではない」と話している。

プロフィール

中村 勉
中村 勉(なかむら つとむ)弁護士 弁護士法人中村国際刑事法律事務所(代表弁護士)
愛知県弁護士会所属。元東京地検特捜部検事。中央大学法学部卒、Columbia Law School卒(フルブライト留学生)、LL.M.(法学修士号)取得。

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