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異性の依頼者、対応の留意点は? 「一対一で会わない」「密室は避ける」…受任控える弁護士も
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異性の依頼者、対応の留意点は? 「一対一で会わない」「密室は避ける」…受任控える弁護士も

弁護士は人の悩みを聞く仕事。依頼者に寄り添う必要もあるが、一方で距離の取り方、特に相手が異性であれば一線を引いた対応も重要になってくる。

弁護士ドットコムが会員弁護士100人にアンケートをとったところ、依頼者との恋愛には約9割が否定的。さらに異性の依頼者に対応する際の注意点を聞いたところ、多くの弁護士が日常からトラブル回避を意識していることがわかった。

●一対一や密室は避ける

異性に限った話ではないだろうが、アンケートでは、「プライベートなことは一切話さない」、「言葉遣いに注意する」など、基本的な心構えを説くものが多かった。

また、二人きりになりやすい打ち合わせ時の留意点も多く寄せられた。

「できるだけ一対一で会わない。女性スタッフがいる時間帯にしか会わない」
「会議室の天井に音声も拾う防犯カメラを設置しているが、万が一の場合に無実を晴らす証拠としての趣旨でもある」
「可能な限り打ち合わせは昼間、事務員等第三者がいる場で行うようにする。業務外の連絡については、依頼者から来たとしても対応しない」
「事務所面談時は、面談室の扉を開放している。電話やメールなどの連絡については、緊急のものを除き、土日や夜など通常の業務時間外の時間帯には返事しない」

一対一や密室を避ける、録音するといった内容は異性の相手だけでなく、カスハラや業務妨害に対しても有効な手段と言えるだろう。

「大きな机で対面式にしている。面会者の名前と時間の記録を事務所全員で共有している」

といった意見もあった。

●異性からの受任を制限する弁護士も

男性弁護士の中には、「異性の依頼者等とやり取りしないよう、なるべく同性の依頼者等に絞っている」という風に受任段階から制限しているという人もいた。

ハラスメント対策を念頭においた回答かもしれないが、女性弁護士からも次のような意見があった。

「男性の相談者や依頼者から女性差別や女性に対する偏見が含まれる発言を受けたことがある。そういった相談者からはそもそも受任しないことにしている。そういった発言がない男性の依頼者に対しても常に距離を置いたり、自分が弁護士であることを意識させるように応対している」

なお、この弁護士からは同性の依頼者についても次のような言及があった。依頼者の性別だけでなく、弁護士の性別によっても依頼者対応のポイントは変わってきそうだ。

「同性の依頼者であっても、女性の悩みは女性弁護士がわかってくれるはずだという先入観があって、非常に頻繁に連絡をしてきたり心理的に依存してくる場合がある。そういった依頼者は弁護士に対してどんどん過剰な要求をしてくる危険があるので、依頼者の望みどおりの頻度では応対しないようにしている」

●依頼者とプライベートで会うことはほとんどない

なお、顧問先を除いた依頼者と食事会などプライベートで会うことはあるかもたずねた。必ずしも異性相手とは限らないが、「まったくない」が54.0%、「あまりない」が34%で約9割を占めた。

【結果】
・よくある:1%
・ときどきある:9%
・どちらともいえない:2%
・あまりない:34%
・まったくない:54%

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