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個室サウナで「おしっこロウリュウ」事件発生!  放尿した迷惑客の責任は?
画像はイメージです(LazarenkaSviatlana / PIXTA)

個室サウナで「おしっこロウリュウ」事件発生!  放尿した迷惑客の責任は?

岐阜県岐阜市にあるサウナ施設「新岐阜サウナ」が、個室サウナで放尿した客がいたとする内容をツイッターアカウントで投稿し話題となっている。

〈個室サウナでおしっこロウリュウした「オタンチン」が現れました。個室サウナ一つ明日まで封鎖します。綺麗に掃除しないと…〉

ロウリュウとは、サウナストーンに水などの液体をかけて水蒸気を発生させる入浴法。同施設のホームページによると、個室サウナでは、「ロウリュウは周りを気にせずお楽しみください」と謳っている。

ツイートされた「おしっこロウリュウ」とは、すなわちサウナストーンに「尿」をかけたということだろう。同施設は、「個室サウナ一つ明日まで封鎖」とし、他のツイートで従業員が戸内清掃する様子を映した動画を投稿するなど、営業に支障が出てしまったようだ。

どのような意図で放尿に及んだのかは不明だが、施設や他の客にとっては迷惑以外の何物でもない。このような迷惑行為をした場合、どんな法的責任を問われるだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●「おしっこロウリュウ」は犯罪、大きな代償を払うことに

——個室が使えなくなる実害が発生してしまったようです。

相変わらず迷惑なお話ですね。店や他の利用者のことを考え、このようなことは絶対にやめてほしいと思います。

まず、民事上の責任ですが、意図的かどうかは別にして、店に迷惑を掛けてしまう行為なので、民法709条の不法行為に当たります。損害額は、掃除代や一室が利用できない時間相当分の利用料などを請求することが可能です。

——刑事責任についてはどうでしょうか。

放尿する行為は、目的物の効用を害する行為ですので、器物損壊罪(刑法261条)に当たることになります。ここでいう「損壊」とは、壊さなくても使いにくくするような場合も含まれるのです。罪としては、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。

また、個室を使用できなくするので、偽計業務妨害罪(刑法233条)にも当たります。「偽計」というのは、難しい言葉になるのですが、人を欺罔(ぎもう)し、あるいは人の錯誤または不知を利用する行為をいいます。

今回のケースも店や他の利用者の知らない間に放尿をしているので「偽計」に当たりますし、それにより個室を使用できなくしているので「業務を妨害」したことになります。

偽計業務罪にあたる場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられることになります。

いずれにしても法的に悪い行為にあたります。今回のツイートを受けて、同じようなことはしないでくださいね。もちろん、銭湯やプールでも一緒です。

プロフィール

西口 竜司
西口 竜司(にしぐち りゅうじ)弁護士 神戸マリン綜合法律事務所
大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。今年からXリーグにも復帰した。

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