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交流戦前に「こうりゅう」で話題に…阿部慎之助さんは本当に「勾留」されていたのか?
5月26日のスポーツ新聞各紙の1面(加工は編集部)

交流戦前に「こうりゅう」で話題に…阿部慎之助さんは本当に「勾留」されていたのか?

プロ野球・巨人の阿部慎之助監督が、長女に対する暴行容疑で現行犯逮捕された──。大手メディアで報じられて、ネットを駆けめぐったニュースだ。

その後、「阿部容疑者は警視庁渋谷署で勾留」との報道が出たことなどから、SNSでは「交流戦前に勾留(こうりゅう)された」などと言葉遊びまで始まった。

阿部さんはすでに釈放されて、監督辞任に至っている。法曹関係者によると、阿部さんは不起訴や微罪処分に終わるとの見方が強い。

ただ、この「勾留」という表現には、法的に見ると疑問も残る。はたして、阿部さんは本当に「勾留」されていたのだろうか。

●「逮捕」と「勾留」は別の手続き

共同通信は、捜査関係者の話として、阿部さんが「警視庁渋谷署で勾留されている」と報じた(5月25日午後11時41分配信)。

釈放前のことだが、刑事手続きにおける「勾留」の意味をご存知だろうか。

一般に、警察が被疑者を逮捕した場合、被疑者の身体拘束から48時間以内に検察へ送致する必要がある。

さらに検察官は、送検を受けてから24時間以内、かつ身柄拘束から72時間以内に裁判官へ「勾留請求」するかどうかを判断する。

裁判官は、被疑事件を告げて本人の言い分を聞く、いわゆる「勾留質問」の手続きを経て、「勾留」を認めるか判断する。

「勾留」が認められると、原則10日間の身柄拘束となり、やむを得ない事情があればさらに最大10日延長されることもある。

つまり、「逮捕された=勾留された」ではない。

●阿部さんは逮捕から数時間で釈放されている

テレビ朝日などによると、阿部さんは5月25日午後8時前に逮捕され、翌26日午前0時過ぎに釈放されたという。

時間経過からみても、検察送致や裁判官による勾留決定まで進んだとは考えにくい。一般論としては「勾留されていた」とみるのは難しそうだ。

実際、法曹関係者からも、SNSでこの表現を疑問視する声が上がっている。

●「捜査関係者ベース報道」をどう見るか

警視庁は5月26日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、阿部さんの事件は「広報なし」とした。

各社報道でも「捜査関係者への取材」をもとにしたとされている。もちろん、速報段階では用語や情報が錯綜することもある。

ただ、特に有名人事件では、「逮捕」「送検」「勾留」といった言葉が、センセーショナルに消費されがちだ。

今回の事件をめぐっては、インターネット上で、さまざまな意見や分析が飛び交っている。

だからこそ、報道の表現や刑事手続きの意味を、一つひとつ冷静に確認していく姿勢も大切ではないだろうか。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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