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60代"痴漢"男性の追憶「あの感触は忘れられない」、批判覚悟で断言「電車の混雑なくしたら被害減らせる」
ショルダーバックにかけた手の甲を使って痴漢をした(本人提供)

60代"痴漢"男性の追憶「あの感触は忘れられない」、批判覚悟で断言「電車の混雑なくしたら被害減らせる」

弁護士ドットコムが会員を対象にした「痴漢」に関するアンケートを実施したところ、多くの回答が寄せられた。そのほとんどが「被害者」からのものだったが、中には「加害者」だという人もいた。

痴漢をしたことがあると答えた9人はいずれも男性で、その中の1人が取材に応じた。

会社員の露木文憲さん(仮名・60代前半)は、東京で混雑した電車に乗り、女性への痴漢を繰り返したという。

電車の本数を増やしたり、出勤時間をずらしたりするなどの対策で混雑緩和させることで、社会から痴漢被害を減少させられるのではないかと指摘する。「また満員電車に乗ってしまえば自制できないだろう」と話した。

●痴漢行為の原体験「40年前の感触を今も覚えている」

痴漢行為の「原体験」は20代前半だったという。地元のデパートで開催されたイベントに人が殺到し、それに巻き込まれる形となった露木さんの右手が女性の臀部に触れた。

「興奮よりも感動でした。40年前ですが、感触は今も漠然と覚えています」

ただ、癖になるのも、逮捕されるのも不安に感じたことから、この1回限りで、イベントに行くのはやめたという。

それから月日は流れ、故意に痴漢をしたのは、2016年のこと。定期的に東京に通う用事ができたことで、昼の山手線に乗ったところ、満員電車だった。

デパートの体験が頭によぎったという。

「混雑しているし、大胆に触らなければ、相手も気づかないだろうと思いました。その時ちょうど、私の前に女性の後ろ姿がありました」

電車の揺れに合わせて、自分の手で女性の臀部に触れた。女性が降りるまで約10分続いたという。

明らかに意図的な行為だった。当時の気持ちを振り返る。

「気づかれなかったら『おいしい』という気持ちが5割、『悪い』という気持ちが3割。これを続けたら『満たされる』という気持ちが1割。最後の1割は、警察が乗って見ていたら『現行犯になるのかな』という気持ちです」

●風俗やビデオでは味わえない経験だった

それから1カ月後、同じ用事で利用した山手線で、読書をしている女性に痴漢をした。

「犯罪者の気持ちになりました。犯罪なんだけど、この感触はいいなと。やめらんないと思いました」

その後、風俗に行ってはみたものの、「風俗や性的な動画をみている興奮とは違った。痴漢の手の感触やたかぶりは比べものにならなかった」。

東京に行く用事がなくなり、混雑する電車に乗る機会もなくなったことから、それ以降は痴漢をしていないと明かす。

「いかにも自然に触れそうな状況がよくなかった。混雑した場所に行けばまた痴漢してしまうかも」

●被害をなくすために…痴漢側の提言「痴漢する人間は変えられない。混雑をなくそう」

不思議なことに、露木さんの中には「正義感」も存在し、痴漢から女性を助けたこともあったという。

「酔っ払いが女性の胸に手を伸ばしていたので、かわいそうと思って、酔っ払いの手を掴んだこともありました。女性が泣きそうだったから」

痴漢する側の立場として、痴漢被害をなくすためには何が求められるのだろう。

「一度味をしめたら、性的衝動を抑えるのは難しいし、痴漢する人を変えるのは難しいと思います。僕が都心に住んでいたら、またやってるかもしれません。混雑さえなければ、痴漢はできません。

必要なのは、電車の本数を増やしたり、出勤時間を減らしたりして、混雑を作らせないようにすること。女性専用車両も増やし、車両に監視を立たせ、目立つような腕章や服装で監視役だとわからせることです」

【アンケート概要】
痴漢被害にあった経験のある女性は75.9%(243人)。男性も22.5%(72人)の人が被害経験をもつ。弁護士ドットコムが会員を対象に実施したアンケートでそんな結果が明らかになりました。また回答を寄せた男性(468人)の内、1.9%にあたる9人が「痴漢をした経験がある」と回答しました。(実施期間:4月10日〜4月16日、有効回答数774人)

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