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酔っ払って「無人パトカー」に乗ってしまった! 後日、警察に呼び出されて恐怖
写真はイメージです(Haru photography / PIXTA)

酔っ払って「無人パトカー」に乗ってしまった! 後日、警察に呼び出されて恐怖

酒を飲んで酔っ払い、近くに止まっていた無人のパトカーに無断で乗り込んでしまったという人から、弁護士ドットコムに相談が寄せられた。

相談者によると、その場で警察官に謝罪し帰宅したものの、後日、警察署に呼び出されたという。

酒に酔っていて当時の記憶があまりないそうで、「公務執行妨害で逮捕されるのでしょうか」と心配しています。小野智彦弁護士に聞きました。

●「公務執行妨害罪」は成立しないが…

公務執行妨害罪が成立するためには、警察官に対して暴行または脅迫を加えることが構成要件となっています。本件では、相談者の記憶にある限りでは、無人のパトカーに乗り込んだだけということになりますので、警察官に対しての暴行または脅迫はなく、公務執行妨害罪にはならないこととなります。

ただ、記憶がないだけで、パトカーに無断乗車し、警察官に連れ出されようとされたときに暴力的な抵抗や暴言を吐いている可能性もありますので、その場合には公務執行妨害になり得ます。

仮に、そのようなことがなかった場合であっても、パトカーに無断乗車したことによって、警察官の手を煩わせる恐れがあれば、威力業務妨害罪になりえます。

おそらく、酔った上でのことですので、逮捕までされることはないと思いますが、逆に呼出に応じないと「逃亡の恐れあり」ということで逮捕される可能性があるので、素直に呼出に従っておくのがよろしいかと思います。

プロフィール

小野 智彦
小野 智彦(おの ともひこ)弁護士 大本総合法律事務所
浜松市出身。1999年4月、弁護士登録。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。手品の種明し訴訟原告代理人、ギミックコイン刑事裁判弁護人、雷句誠氏が漫画原稿の美術的価値を求めて小学館を提訴した事件などの代理人を務めた。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。

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