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妻との旅行中、女性浴場で盗撮…30代男性の苦しい言い訳 事件後、会社は倒産
画像はイメージです(buritora / PIXTA)

妻との旅行中、女性浴場で盗撮…30代男性の苦しい言い訳 事件後、会社は倒産

3年間で14件の盗撮行為を行ったほか、特殊詐欺の受け子をしていた知人から3万円を受け取ったとして、迷惑防止条例違反と盗品等無償譲受罪に問われた30代の被告人男性に対し、大阪地裁は2023年6月、懲役1年の実刑判決を下した。

被告人の盗撮行為は、自身の生活圏内だけでなく、出張や旅行先など全国4都県で行われた。中には、内縁の妻との旅行中に犯行に及んだものもあった。(裁判ライター:普通)

●興味本位の行為の結果、会社は倒産

盗撮は2019年〜2022年にかけ、全国で繰り返された。駅のホームやエレベーター、飲食店内の女性用トイレ、旅館の女性用浴場などと犯行場所は様々だった。

弁護人「どうして、盗撮行為を行ったのですか」
被告人「最初は、興味本位で。『あっ、撮れた』って。それがエスカレートして」

被告人質問で撮影したことは認めたが、その時の画像はたまたまスマートフォン内に残っていただけであり、見返してはいないと供述した。

起訴状などによれば、盗品等無償譲受罪については、次のような経緯だった。

特殊詐欺の受け子である知人とはオンラインゲームで知り合った。事件の1年ほど前に投資用として資金を立て替えたことがあり、その金銭を返してもらう目的で金銭を受け取った。特殊詐欺の受け子をしていることは、金銭を受け取るために一緒に行動している中で知った。特殊詐欺で得た金銭と知りながらも受け取った理由としては、「立て替えたお金が返ってくればよかったので」と供述した。

被告人は特殊詐欺への関与も疑われたためか、身柄拘束は3カ月にも及んだ。その間に自身が経営していた会社は倒産し、資産もなくなったなどと供述した。最終弁論において、一定の社会的制裁は受けており、再犯は二度と行わないと主張した。

●「内縁の妻が風呂に入りにいったので、驚かそうと思って」

検察官は、内縁の妻との旅行中に女性用浴場を盗撮したことについて質問した。

検察官「旅行中なのに、どんな心境で行ったのですか?」
被告人「内縁の妻が風呂に入りにいったので、驚かそうと思って。で、カメラ向けたら、他の人がいて『うわっ、気まず』って」

検察官「性的な目的でないなら(盗撮しても)いいと思っているんですか?」
被告人「撮って楽しいと言ったら変かもしれませんけど、本当に興味本位なので」

撮影は性的な目的ではないと淀みなく供述する被告人。犯行を繰り返す中で、盗撮を止めようと思ったこともあったものの、楽しいという思いが抜けずに続けたとも供述した。

再犯防止についての考えを問われると、被告人は「考えていることは特にないです。単純に懲りました」と答えた。

●「悪質で、大胆な手口」

裁判官は懲役1年の実刑判決を下した(求刑、懲役2年6月)。詐欺罪での前科があるとは言え、15年前の事件であり、執行猶予判決となることも予想された。被告人、弁護人ともに少し驚いているような印象も受けた。

判決では、盗撮被害にあった被害者数が多いことや、女湯、トイレなどでの犯行が「悪質で、大胆な手口」だと言及した。また、直接犯行に関わってはいないものの、特殊詐欺で得た金銭を入手した事件内容を強く問題視していた。

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