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ビッグモーター「除草剤」疑惑、わざと「街路樹」を枯らしたら犯罪に問われる?
和泉新社長(7月25日/弁護士ドットコムニュース)

ビッグモーター「除草剤」疑惑、わざと「街路樹」を枯らしたら犯罪に問われる?

中古車販売大手ビッグモーターの「除草剤」疑惑をめぐり、全国各地の自治体も次々と調査に動き始めている。

複数のビッグモーター店舗前で、街路樹や植栽が枯れていたという指摘がネット上を中心にされている。群馬県太田市では店舗前の「17本のトウカエデ」が枯れた原因が除草剤散布にあったとみて、管理する県土木事務所が2022年11月に警察へ被害届を出した。

ビッグモーターは7月25日の記者会見で「環境整備」(清掃)の一環で除草剤をまき、街路樹に影響が出たことが10年以上前にあったと明らかにした。これを受けて大阪市や名古屋市なども調査を始めている。

一般論として、わざと街路樹や植栽を枯らしたり、撤去したりするような行為が罪に問われる可能性はあるのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

⚫️3年以下の懲役刑の可能性も

——公共の街路樹や植栽を枯らしたり、撤去したりする行為は、どのような罪に問われうるでしょうか

故意に(わざと)、他人の物を損壊した場合、刑法の器物損壊罪にあたります。法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。わざと街路樹や植栽を損壊した場合は、器物損壊罪に問われるでしょう。

また、街路樹や植栽を損壊したことによって、道路の効用を害したり、道路における危険を生じさせた場合には、道路法で定められた「道路附属物損壊罪」にもあたりえます。これに違反すると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金とされており、器物損壊罪よりも少し重いです。

——民事の法的責任は考えられるでしょうか

故意または過失(うっかり)で、他人の物を損壊した場合、民法上の不法行為が成立します。損害賠償責任を負う可能性があります。

——ちなみに時効はありますか

刑事責任は、器物損壊罪も道路附属物損壊罪も公訴時効期間は3年となります。民事責任のほうは、被害者が損害および加害者を知った時から3年経過しますと、消滅時効にかかります。

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プロフィール

濵門 俊也
濵門 俊也(はまかど としや)弁護士 東京新生法律事務所
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。

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