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性暴力被害者のために猛進する川本瑞紀弁護士 「傷ついた人が失ったものを取り戻したい」
川本弁護士(撮影:永峰拓也)

性暴力被害者のために猛進する川本瑞紀弁護士 「傷ついた人が失ったものを取り戻したい」

近年、性暴力に関わる法制度が大きく動いている。そうした中、被害者のために活動しているのが川本瑞紀弁護士だ。

一般的に性暴力は立証が難しく、弁護士として「儲かる」仕事でもない。それでも、新人弁護士の頃から奔走してきた。被害者をエンパワーメントする力が、司法にあると信じているからだ。何が川本氏を駆り立てるのか。(取材:猪谷千香、撮影:永峰拓也)

●「鬼滅の刃に出てくる猪頭にそっくり」 妹から指摘された理由

アニメや漫画で『鬼滅の刃』の人気が出てきた頃、川本氏は妹にこう言われた。

「お姉ちゃんにそっくりなキャラが『鬼滅の刃』に出てるよ」

妹は、「猪の頭かぶってるから、すぐにわかるから」と続けた。真っすぐな気性と行動で、鬼と戦う嘴平(はしびら)伊之助のことだった。

「それも、山から下りてきたばかりの初期の伊之助でした。まだ人間として成長していない、何にでも突っ込んでいく、猪突猛進の伊之助です。見た方向にばーっと行ってしまう…」と川本氏は笑う。

妹の指摘は当たっているという。その理由は、川本氏がなぜ被害者のための活動をするようになったのかを聞いているうちにわかった。

川本氏が司法試験の勉強をしていた頃、社会に衝撃を与える事件が起きた。1997年10月、山一證券側の代理人だった岡村勲弁護士の妻が殺害されたのだ。岡村弁護士はこの事件をきっかけに、被害者の権利が認められていないことに気づいたという。

岡村弁護士は2000年、光市母子殺害事件(1999年)の被害者である本村洋さんらとともに「全国犯罪被害者の会」(あすの会)を立ち上げ、被害者の地位向上のための活動を始めた。

「当時、被害者の権利が社会的に注目を集めていた時期でした。私もまだ法律のことは難しくてよくわかりませんでしたが、テレビで拝見する岡村先生たちの、悲しみの中での毅然とした人の美しさに心を打たれていました」

「あすの会」が活動を始める以前、被害者のためのさまざまな活動が始まりつつあった。1995年に起きた地下鉄サリン事件で被害者や遺族の心の傷が広く報道され、一般にも認知されるようになっていった。こうした社会情勢により、2000年には「犯罪被害者保護関連二法」が成立した。しかし、被害者は事件の当事者でありながら、「裁判の蚊帳の外」に置かれ続けた。

「あすの会」が活動を始めると、被害者の権利や補償を求め、岡村弁護士らは精力的に動いた。「あすの会」には、法律家で構成する「犯罪被害問題研究会」があり、2002年と2004年、ヨーロッパを訪れて、海外では被害者に対する手厚い補償制度や、被害者も当事者として訴訟に参加できる制度が整備されていることなどを調査した。

「あすの会」は、こうした制度を国内でも整備するよう求め、2003年からは全国で署名活動を始める。集まった55万7000筆は、当時の小泉純一郎首相に提出された。また、地方自治体の議会にも意見書を提出し、117自治体から賛同を得た。

こうした実績により、被害者の権利を初めて明記した「犯罪被害者等基本法」が2004年、成立する。被害者参加制度も整備され、被害者が法廷で意見を述べることができる「権利」が認められるようになった。

「この被害者参加制度が創設されるまで、被害者は、証人尋問で尋問されるときにしか法廷のバーの中に入ることができませんでした。検察官が被告人質問をする時、被告人は、被害者にはわかるけれど、検察官にはわからない程度に客観的な状況と異なる供述をすることがあります。その時、被害者の気持ちとしては『嘘をつかれ放題で何もできない』状態です。被害者が法廷のバーの中に入ることができる制度は、被害者たちの悲願でした」

また、被害者の負担が少ない損害賠償制度も実現した。司法制度を草の根から変えていく岡村弁護士や「あすの会」の活動は、司法試験勉強中の川本氏を強く惹きつけた。

「弁護士になったら、被害者の役に立ちたい」

川本氏の「目的地」はこうして決まった。あとはひたすら進むのみ。

●岡村勲弁護士に憧れ…「あすの会」に熱い長文メール

そんな川本氏が2006年11月9日、司法試験に合格した直後にしたことは、「あすの会」にメールを出すことだった。

「合格通知が届いてすぐにすごい熱いメールを書きました。当時はパソコンを持っていなかったので、携帯で書いたんですけどよくあんな長いメールを書いたなと今でも思いますね(笑)」

突然、見知らぬ司法試験合格者から長文の熱いメールを送られた「あすの会」側がどう思ったのかはわからないが、川本氏のもとに、11月25日に開かれる「あすの会」のシンポジウムに参加しないかという返事が来た。

「やばい合格者から連絡が来たけれど、被害者への熱意は伝わると思われたんじゃないでしょうか」

川本氏は二つ返事で東京・水道橋の会場へ訪れた。カバンには、あわてて作った「司法試験合格者」「司法修習予定」と書かれた名刺を入れていた。

会場には、「神」がいた。いや、正確には、川本氏が「神」と敬う岡村弁護士だ。

「名刺を持って、岡村先生にご挨拶に行きました。そうしたら、名刺をいただけるじゃないですか。感動して、それでまたお名刺ありがとうございましたって岡村先生にお礼状を書きました」

名刺へのお礼状を書いた弁護士は、法曹界を広く見渡しても、川本氏だけではないだろうか。

「私も名刺へのお礼状、もらったことはないですね(笑)」

それだけ、被害者に対する熱意があったということだろう。その思いは、「神」に届いた。お礼状を送った後、岡村弁護士から1枚のハガキが送られてきた。

「運動は永遠に続くでしょう。早く来てください」

ハガキに書かれていた言葉が、川本氏の将来を決定づける。

「あすの会」のメンバーで、シンポジウムで川本氏と名刺交換をしていた髙橋正人弁護士からも、「あすの会」でバックアップ委員会が開かれるから、参加しないかという誘いがあった。

バックアップ委員会は、当時岡村弁護士が「あすの会」代表幹事として委員を務めていた法務省の法制審議会刑事法(犯罪被害者関係)部会に対して、どのような意見を言うのかまとめていた。

「神からは『早く来てください』と言われ、髙橋先生からは具体的に『バックアップ委員会に来ませんか』と言われ、これは行かなければと思って出かけました」

当時、川本氏は実家のある名古屋市在住だった。新幹線に乗り、一路、東京の岡村弁護士の事務所へ。

「バックアップ委員会ではもう何を話しているのかわかりませんでした」

事務所の一番広い部屋のテーブルに、岡村弁護士や髙橋弁護士を始め、白井孝一弁護士、京野哲也弁護士、守屋典子弁護士、山上俊夫弁護士、望月晶子弁護士、後藤啓二弁護士、米田龍玄弁護士、中村竜一弁護士らが並び、熱い議論をかわしていた。実務どころか、まだ司法修習も終えていなかった川本氏はただただ圧倒された。

一方で、犯罪被害者問題の最前線を肌で感じ、一層この道へ進むことばかり考えるようになっていった。

●文学部に落ちて消去法で法学部進学

ここで、川本氏の生い立ちに触れたい。

子どもの頃から、とにかく本を読むのが大好きだった。小さい頃は2週間に1度、家族で図書館へ行き、借りられるだけ本を借りて帰るのが楽しみで、高校生になってからは学校図書館以外に古書店で3冊100円の古本を買って読んだ。

惚れ込んだ作家や作品は、繰り返し読む。永久に読んでいられる。毎年、年末年始はサン=テグジュペリの『夜間飛行』か、新田次郎の『アラスカ物語』を読むと決めている。忙しくて読めなかった時は、年を越した気がしないという。

「とにかくずーっと何かを読んでいます。ドライヤーで髪を乾かしている時も、タブレットを置いて読んでますし、エスカレーターは本やタブレットが読めるのでうれしいです。身の安全が確保されている環境でしたら、読み続けていると思います」

本を読めていれば幸せという川本氏に転機が訪れたのは高校2年生の冬休み前だった。愛知県内でトップクラスの県立高校に通っていた川本氏は、作家の灰谷健次郎に憧れ、大学入試がそこまで難しくない沖縄の大学に進学しようと考えていた。ところが突然、父から名古屋大学かそれに匹敵する大学に進学するようにと言われた。

「それまでは、世界史のテストで人名がわからなかったら、とりあえずダレイオスと書いておけば、1世か3世かわからないけどどっちか当たるだろう、くらいの気楽さでした。最低限の勉強しかしていませんでしたね」

しかし、いきなりハードルは上げられた。そこで、川本氏は冬休み中、溜まりに溜まっていた通信添削の教材1年10カ月分を一気にやった。

「そうしたら、冬休みを挟んで偏差値が40から60に上がったんです」

さらりと言うが、並大抵の集中力と努力ではない。ここでも、妹に「伊之助に似ている」と言わしめた猪突猛進ぶりが発揮された。

その後、数学の点数が伸び悩み、早稲田大学法学部に進学する。あれだけ小説を読むのが大好きな川本氏であれば文学部に進学しそうだが、なぜ法学部を選んだのだろう。

「文学部は落ちました。私を落とした文学部に聞いてください(笑)。法学部は消去法で選びました。結局文系でも数学が関わる経済学部や商学部は諦めて、残ったのが法学部でした」

なお、慶應義塾大学を見に行った際、高級ブランドバッグを普段着に持って歩く女子学生たちを見て、「ここに居場所はない」と思ったそうだ。一方、早稲田大学は、高田馬場駅からキャンパスまでの道に古書店が並んでいるのを見て、「ここなら通える」と直感した。

法学部に入学したものの、すぐに弁護士になろうとは思わなかった。

「映画サークルに入って、1年間で100本観たりしていました。ただ、それだけだと試験が大変だというので、試験の情報が手に入る司法試験受験サークルにも入りました。本当になんとなくでしたね」

●沼にはまって抜けなくなった司法試験受験

学年が上になるにつれ、自分が将来、会社員になる未来は見えてこなかった。一方で、厳しい司法試験に受かるとも思えなかった。

「ただ、司法試験受験サークルの居心地はよくなっていました。親友とも出会えましたし」

では、そこから司法試験への意識が高まっていったのだろうか。

「いえ、本当にぬるりと受験勉強を始めて、沼の深みにはまっていったというのが近いです。弁護士になろうという大した覚悟はありませんでした」

そこから川本氏は、「私はユーミンとサザンのファンなのですが、大学入試が終わった後、そのまま相模線に乗って茅ヶ崎駅に行ったんです」と言い出した。

確かに茅ヶ崎といえばサザンオールスターズの聖地であり、松任谷由実の『天気雨』という曲には、相模線が登場する。川本氏は大学入試を終えた開放感から、茅ヶ崎に足が向いたのだという。

「茅ヶ崎の海岸まで行ったら近くに小さい島が見えて、よし歩こうと思って歩き始めたら、実はその島は江の島で、遠くの大きな島でした。なかなかたどり着かないと思って歩いていたのは、10km近くあるサイクリングロードだった。私にとって、司法試験の勉強はそのサイクリングロードなんです。歩き始めて、気づいたら抜けられなくなっていました。いつも逃げ遅れるんですよ」

司法試験合格後、山梨県で司法修習を終え、晴れて岡村綜合法律事務所へ入所する。企業法務や一般民事、刑事、家事も手がける老舗事務所だが、そこで待っていたのは「神」の試練だった。

何を書くにもきちんと一次情報にあたらなければ厳しく指導された。「入所当時はとにかく文章が下手くそでした」と振り返る。

ある時、「天声人語書き写しノート」がデスクの上に置かれていた。岡村綜合法律事務所パートナーの北尾哲郎弁護士が文章の練習に、朝日新聞のコラム「天声人語」を書写するようイソ弁たちに勧めてくれたのだ。相手は、岡村弁護士と並ぶ「神」のような存在だ。川本氏は毎日、懸命に書き写した。

「天声人語は650字ほどあってちょっと長かったんです。そこで、少し短めの日経新聞のコラム『春秋』を書写するようになって、途中からは書くのも面倒になったのでパソコンで打ち込んでました。それからやっぱり新田次郎が好きなので、『小説に書けなかった自伝』を書き写したりしていました」

今では、何か引っかかることやもやもやしたことを言語化して、法律の条文に結びつけることが得意になったという川本氏。岡村綜合法律事務所での指導や書写で鍛えられたことが裏打ちになっている。

岡村綜合法律事務所には4年、在籍した。

「本当にご迷惑をかけてばかりでしたが、夢のような経験をさせていただけたと思っています」

一人前の弁護士として育てられ、被害者の権利のために奔走する「神」や先輩たちの姿を間近で見られたことは、駆け出しの川本氏にとってかけがえのない経験だった。

●性犯罪や性暴力被害者のための活動は少数派

今、川本氏は被害者のための活動の中でも性犯罪や性暴力に注力している。その原点はどこにあるのだろうか。

「性犯罪や性暴力は昔からありました。私も大学在学中に被害に遭ったことがありますし、飲み会で酔って寝てたら体を触られてたとか、どこぞのサークルで女の子がまわされたなんて被害も、周囲にはたくさんありました。今でこそストーカー規制法がありますが、当時は『情熱的だね』という言葉で片付けられていた被害です。性被害は、マイノリティである女の子たちの間だけで語られてきました」

現在でも、性犯罪や性暴力の被害者は、被害に遭ったことすら言えないことがある。被害を立証するにも被害者の負担は大きく、容易ではない。そのため、被害を被害として司法が認識してこられなかったのではないかという思いを、川本氏は抱えてきた。

また、性犯罪や性暴力の被害者のために活動する弁護士としてもマイノリティだった。今から10年ほど前、川本氏が独立して活動を始めた頃の話だ。

「被害者に付き添っていると、警察官にも検察官にも警戒されました。弁護士は被疑者や被告人の権利を守る立場だと思っていますので、あなたの敵ではなく、協力をしたいだけです、被害者の言葉を伝える通訳だと思ってくださいと説明しなければなりませんでした。被疑者被告人の弁護人である弁護士からは、検察の手先のようなことをしていると言われたこともあります」

法曹界でも、性犯罪や性暴力に対する理解は進んでいなかった。

川本氏は、性暴力救援センター「SARC東京」の支援弁護士を務めているが、性犯罪ではないが、性暴力を受けたと訴える被害者は少なくないという。

「現在の法律では性犯罪として認められない。でも、たとえば同意がない性行為をさせられたケースなど、被害者にとっては性犯罪の被害者と同じぐらい傷ついているわけです。被害者の役に立ちたくて弁護士になったのに、そうした人たちに対して弁護士として何もできないと言わなければならないことは、とても精神を蝕みました」

被害の実態を反映させる形で、性犯罪に関する刑法の刑罰が明治時代以来110年ぶりに改正されたのは2017年で、つい最近のことだ。

●これまで見えてこなかった性犯罪 法改正で可視化へ

川本氏を取材していた2023年2月、法務省の法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会の議論が大詰めを迎えていた。2017年の改正では、施行後3年を目処に、実態に即した見直しをすることが附則で盛り込まれていた。

その見直しが2021年10月から法制審議会で始まり、2023年2月に要綱案がまとまった。要綱案では、性交同意年齢を現行の13歳から16歳に引き上げたり、性的な目的を持って子どもを手なずけるグルーミング罪や、盗撮罪を設けている。

法制審議会での議論を注視してきた川本氏は、どう評価しているのだろうか。 

「まず、司法が性犯罪として認知している事件は、現在の法律で性犯罪であるとされた、あるいはその疑いがあるとされた事件だけです。しかし、現在の法律では性犯罪にしてもらえない被害が水面下にはあります。新たな罪の創設により、これまで司法からは見えてこなかった性犯罪がより可視化されていくと思います」

また、議論の中で変化した文言がある。要綱案がまとまる以前の試案では、強制性交等罪の成立要件として、現行法の「暴行・強迫」に加えて、「心身に障害を生じさせる」「拒絶するいとまを与えない」などにより、「拒絶困難」になったことにつけこんで性行為を行う場合としていた。

被害者たちから「被害者に拒絶する義務が課せられるかのような誤解が生まれる」という批判の声が上がり、最終的には「同意しない意思を表明することが困難な状態」という文言に修正されている。

川本氏はこの点を評価しているという。

「もともと法務省は、拒絶困難とは嫌と言うことが難しい状態を示すと説明してきましたが、読む人によって『紛れ』が生まれないようにしたというのが趣旨だと思います。紛れがないということはとても大事です。警察が被害者から話を聞く段階で、証拠もわからず、どちらに転ぶかわからない条文になっていると、被害届を受けてくれなくなってしまう懸念があります。被害者自身が条文を控えめに読んでしまって諦めてしまったり、加害者が警察に行っても無駄だと言い含めることもあります」

川本氏のもとには、加害者に犯罪ではないと言われたけれども本当か、という相談が年に数件は来るという。誰が読んでも解釈が異ならないような条文が望ましいのだ。

一方で、積み残された課題もある。

「被害者の方々が求めていた公訴時効の撤廃は今回、実現しませんでした。また、性交同意年齢の引上げが認められるのは、相手との間に5歳以上の年齢差がある場合に限定されています。他にも懸念すべき点はありますが、廃案になるより、まずはこの改正を実現させることが大事です」

これまで、性犯罪の被害者は口をつぐみ、表に出てこない存在だと思われていた。 

「岡村先生たちがはたらきかけて、被害者参加制度が創設された時、性犯罪の被害者は利用しないだろう、裁判に参加しないだろうと言われていました。でも思った以上に、性犯罪被害者の方たちも利用しています。性犯罪であっても、被害者は傍聴席にいるよりも、当事者として参加した方が、自分を保っていられる方もたくさんいらっしゃるんです」

性犯罪や性暴力により、被害者は「何かを失ってしまう」と川本氏は言う。相談に訪れた被害者は、凄惨な被害だったとしても、表情は動くことなく淡々と話す人が少なくない。人としての何かが失われているのだ。

「でも、裁判が進むにつれ、有罪判決が出るという空気を法廷で感じると、被害者の顔に血の気が差していくんです。人間はどん底にあっても、こうやって表情を取り戻していくことができる。その気高さを感じる瞬間があります。自分はこんな大切な瞬間に立ち合わせていただいている仕事なんだと思います」

これが、川本氏が被害者のために奔走する理由だ。これから性犯罪に関する刑法が変われば、弁護士には被害者の人たちに求められる場面が多くなるとみている。

「若い弁護士の方には、ぜひこちら側に来ていただきたいです。きっとこれまでとは違う世界が開けていますし、弁護士の力が必要とされています」

(月刊弁護士ドットコムVol.66<2023年3月発行>より転載)

プロフィール

川本 瑞紀
川本 瑞紀(かわもと みずき)弁護士 みずき法律事務所
2006年、司法試験に合格。2008年、弁護士登録(第一東京弁護士会所属)。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会・委員を務める。犯罪被害者支援弁護士フォーラム会員、性暴力救援センター・東京(SARC東京)理事・協力弁護士。NPO法人mimosas監修。著書(共著)に『ケーススタディ被害者参加制度損害賠償命令制度』(東京法令出版)、『犯罪被害者支援実務ハンドブック』(東京法令出版)。論文「強姦神話という迷信」(『捜査研究』2018年8月号)、監修『性の絵本6』(たきれい著/株式会社キンモクセイ)。

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