「ドラゴンボール」の原作者・鳥山明氏のサインとうたった色紙が、フリマアプリに出品されツイッターで話題となった。
フリマアプリ「ラクマ」に書かれた商品説明を見ると、「数十年ほど前にイベントで鳥山氏に描いていただいたサイン」と説明。
「お忙しいなか描いていただいた物できちんとした状態で描かれていないのでペンが乱れているなどがありますがこれはこれでレア物だと思います」とし、8万5千円の高値で販売していた。
しかし、よく見ると左下のロゴは「DRAbon BALL」となっており、「せめてタイトルくらい正しく書こうよ…」「似せる気が全然ない」などとツッコミが殺到している。
現在、商品は削除されており、偽物かどうかは定かではない。もし、有名人や漫画家のサインを偽造しネットオークションなどで販売した場合、どのような法的問題があるのだろうか。
●刑法上の詐欺罪にあたる
河西邦剛弁護士は以下のように解説する。
「明らかに刑法上の詐欺罪に該当する犯罪行為です。
入札する人は、鳥山明さんが書いたサインだから入札するわけであって、鳥山明さんではない人が書いたサインであれば入札しません。
商品の本質的な価値を偽って、購入代金を吊り上げようとしていることから、明確に刑法上の詐欺罪に該当し、10年以下の懲役として処罰される可能性があります」
こうした偽サイン色紙販売は、刑事事件に発展しているものも多数ある。
2019年5月には、「ちびまる子ちゃん」のイラストや作者のさくらももこさんのサインを偽造した色紙を出品した男性が、詐欺の疑いで逮捕された。男性は懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
「ドラゴンボール」発行元の集英社は、今回のサインについて「本物かどうかは本人しか確認できないため、コメントできない」としている。
軽い気持ちで出品した色紙一枚でも、重い罪がくだる。絶対に真似をしてはいけない。