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2016年05月08日 10時00分

盗まれた「38万円自転車」が性能アップして返ってきた…加えられた部品は誰のもの?

盗まれた「38万円自転車」が性能アップして返ってきた…加えられた部品は誰のもの?
写真はイメージ

盗まれた自転車がピカピカになって返ってきた上、パーツもグレードアップしていたという「珍事」がネットの掲示板に投稿されていた。書き込みによると、投稿主が盗まれたのはパナソニック製のチタンフレーム自転車・通称「パナチタン」。約38万円もする高級自転車だ。通勤に使っていたが、休日に盗まれてしまった。

犯人はかなりの自転車好きだったようで、投稿主の元に戻ってきた自転車は、見違えるように磨き上げられており、一部のパーツがグレードアップしていたという。

真偽のほどは定かではないが、仮に事実だった場合、グレードアップしたパーツは誰のものになるのだろうか。投稿主はこのパーツをもらってしまっても良いのだろうか。東山俊弁護士に聞いた。

●パーツの返還が「原則」だが…

「現実的には、犯人がパーツを取り返しに来る可能性が低く、そのままもらってしまっても問題ないことが多いと思います。

ただし、法的には、新しいパーツは犯人の所有物であるのが原則です。そのため、犯人から『パーツを返せ』と求められたら、返還する必要があります」

東山弁護士はこのように説明する。

「ですが、例外的に自分のものになる場合があります。それが、民法の『付合』にあたる場合です。

これは、2つの物が結合した場合、壊さなければ分離できないときや、分離に多額の費用が必要なときには、結合した物の所有権が主たる動産(この場合は自転車)の所有者に属するということを定めたルールです。

サドルのように簡単に取り外せるパーツの場合は、自転車本体と分離することは簡単でしょうが、ブレーキのように取り外しが困難なパーツもあるでしょう。

そのため、取り外しが難しいようなパーツが取り付けられていた場合、パーツの所有権が犯人から被害者に移り、パーツを返す必要がなくなります」

ただでもらっていいのか。

「付合によって、物の所有権を失った人は、その分損害を受けている事になります。そのため、法律上、被害者は所有権が移ったパーツの代金を、犯人に支払う必要があります」

もし犯人からパーツの代金を求められた場合、どうすべきなのか。

「付け替えのため犯人が取り外したパーツは、被害者の所有物です。元のパーツが返って来なかった場合、そのパーツの代金が損害となります。また、被害者には自転車を使用できなかったことによる損害もあるでしょう。被害者には、これらについて損害賠償を請求する権利があります。

仮に犯人から、パーツの代金を請求された場合は、こうした権利と相殺するといった処理も可能でしょう」


東山弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

東山 俊弁護士
東山法律事務所所長。大阪弁護士会所属。家事事件はもちろん、一般民事事件や刑事事件も幅広く取り扱っている。
事務所名:東山法律事務所

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