鈴木 剛 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
大学4年の時に就職するか資格を取るかで悩んだ末、本格的に司法試験を目指し始めました。元々理論的に考えたり行動したりすることが好きでしたし、弁護士の仕事にも通じるものがありますので「この仕事は好きだろうな」と思うところもあり、目指しました。
印象に残っている事件
痴漢の事件を扱ったことがあります。依頼者の方は冤罪を主張していたのですが、その事件を通じ人が一人逮捕されるということの重みを改めて感じました。また、国が逮捕し刑を科すということは絶対に間違ってはいけないものです。刑事事件に対する「もし間違っていたら」「どう償えばいいのか」という問題も考えさせられました。
痴漢の冤罪事件は本人の精神面もそうですが、家族の精神的負担も相当なものだと分かりました。事件自体も当事者にしかわからない部分や当事者同士の誤解もあり事実の証明は困難なものですし、色々な面で難しい案件だと感じました。
仕事で嬉しかったこと
私は個人相手の仕事をすることが多いのですが、事案や金銭的な問題の解決ももちろんですが、何より依頼者の精神的な重みを取り除くことが一番大切だと思っています。例え金銭的なメリットがなかったとしても、精神的な問題の解決を第一の目的としています。
不安な様子で相談に来た依頼者の方が喜んで帰って行かれたり、便りや手紙を頂けたりすることがとても嬉しいですし、小さな出来事の中に喜びがある、そんな仕事だと感じています。
大変だと感じること
依頼者との人間関係や心の問題です。相談に来る依頼者の方は問題を抱え追い込まれた状態でしょうし、どうしても視野が狭くなりがちす。無理なことは無理といわなくてはなりませんが、その場合でも、依頼者の気持ちを汲み、話を聞いてあげることで大分気持ちは変わってくると思いますが、弁護士も全ての希望を叶えられるわけではありません。
無理なことは無理とはっきりと言う必要があります。その際に依頼者の機嫌を損ねたり怒らせたりしてしまうことのないように努めています。
私たちの扱う市民間の法律問題では、法律を、年齢や経験の違いから一人一人様々な意見・考えを持たれますが、実際の紛争では100%の勝ち負けは稀ですし、そもそも法律は隣人を一方的に追い込むために使うべきではないと思います。どこかで折り合いをつけながらわだかまりを無くし、紛争の発生を防ぐことが弁護士に求められることだと思います。
そのためにも依頼者の方との信頼関係円滑に築けるよう、不安を解決できるよう努力していす。
休日の過ごし方
家族(特に子ども)と過ごしています。父親としてしっかりと接したいですし、日曜日は休む努力をしています。結婚して子供ができ仕事に割ける時間は減りましたが、かえって、精神的にも肉体的にもバランスが取れるようになりました。
それまでは、弁護士は‘考えること’が仕事ですので、平気で仕事のことを考えていると一日中考えていることもありましたが、家族ができ、生活リズムの変化や仕事上のストレスなどを仕事と家庭を割り切る必要が生まれたことによって生活にメリハリができたと感じています。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の方の精神的な解決と満足を第一に考えています。中には思い通りの主張が通らなかったり負けたりすることもありますが、不安や怒り、不信感といったマイナスの感情を取り除ける解決ができることが大事だと思います。そのためにも仕事の‘質’にはこだわりたいので日々研鑽をして、高いレベルのものを提供できるようにと心がけています。
関心のある分野
今現在深く入り込んではいませんが、訪問販売や通信販売での詐欺など消費者被害について関心があります。元々自分と同世代の人の悩みを解決できるようになりたいという思いがあり、自分が近い立場で依頼者の方と関われればと思っています。
ですから若い頃は労働問題に関心がありましたし、現在は私自身家族を持ち、小・中学校の学区問題や保育園や託児所の不足など自分と近いところで起きている問題が、法律と結びつくのであれば取り組みたいと考えています。社会生活の中で、身近な人の一般的な問題に強くなりたいと思っています。
今後の弁護士業界の動向
司法改革によって弁護士の数が増え仕事が少なくなったとも言われますが、弁護士のニーズがなくなったわけではないと思います。業界自体が敷居を下げるため、いわば老舗の料亭からファミリーレストランになる努力も必要だと思います。
社会にはまだまだ泣き寝入りしている方も多いので、以前のように儲かることはないかもしれませんがこの先弁護士を使う仕事自体は多くなるはずです。弁護士という職業も特殊なものから一般的なものに変わると思います。
また、事件解決のみではなく、健康診断のように予防的な働きや、カウンセラー的な仕事といった相談業務が増えるでしょうし、病院のように事件が解決した後のサポートまでできたらと思います。
ページを見ている方へのメッセージ
一般の方、市民の皆様は自分の悩みが法律に関係しているかということは判らないかもしれません。ですが、弁護士の仕事は依頼者の精神的な不安や悩みを法律という道具で解決することを目的としています。また、私達は親しみやすい法律事務所を目指しています。
どうぞ気軽にドアを叩き、悩みを相談して下さい。
(2010年9月インタビュー実施)