不動産・建築の解決事例
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隣人が境界確認を頑なに拒絶!丁寧な交渉と地位承継の合意書作成により、無事に土地売却を完了させた事例

70代 男性
この事例の依頼主 70代 男性

相談前の状況 依頼者は高齢で体調を崩して施設へ転居することになり、ご自身の存命中に自宅の土地建物を整理・売却したいと考えておられました。すでに不動産業者を通じて買主を探している状況でした。
不動産の売却にあたっては、現地を測量し、隣地との境界を確定させる必要がありましたが、ここで大きなトラブルが発生しました。依頼者の土地と隣地の境界線上には古いブロック塀が設置されており、民法上は共有物と推定される状態でした。売却に向けて測量等を進める中で、仲介に入った不動産業者が事前の十分な説明もないまま、唐突に隣人の自宅を訪問してブロック塀の取り扱いについて話を進めようとしたのです。
この配慮を欠いた対応により隣人はひどく気分を害してしまい、態度を硬化させました。その結果、隣人は境界確認のための現地立ち会いや、土地境界確認書への署名・捺印を頑なに拒絶する事態に発展してしまいました。
売買契約上、隣接地の所有者との境界確認書を取得し買主に交付することが義務付けられており、このまま境界確定が滞れば、売買契約を締結できないリスクがありました。しかし、依頼者自身は高齢かつ体調不良のため、直接隣人のもとへ赴いて謝罪や説明をすることが事実上不可能な状態でした。そこで、事態を打開し円滑に不動産売却を進めるため、弁護士にご相談・ご依頼いただきました。

解決への流れ ご依頼を受けた後、直ちに代理人として隣人へ書面を送付し、お電話でも丁寧にご連絡を差し上げました。まず、不動産業者の唐突な訪問による無礼を真摯にお詫びするとともに、依頼者が体調不良のため直接ご挨拶に伺えないという事情をご説明し、ご理解を求めました。
次に、問題となっている境界線上の既存ブロック塀について、客観的な資料に基づいて論理的な説明を行いました。具体的には、既存の塀には控壁がなく、壁の高さと厚さの比率などの規定を満たしていないため、現行の建築基準法に適合しておらず、過去の地震被害の例からも倒壊の危険性があることを指摘しました。その上で、「依頼者(売主)の全額費用負担で既存の塀を解体し、新たに依頼者の敷地内に法令に適合した安全な塀を設置する」という、隣人にとって一切の不利益がない解決策をご提案しました。
交渉を進める中で、隣人からは「塀がない期間のプライバシーの確保」や「新設した塀が破損した場合の修繕責任」などについて懸念が示されました。弁護士はこれらのご意見を真摯に受け止め、工事期間中の配慮義務や修繕責任の所在を明確にした「覚書」を作成し、柔軟に対応しました。
さらに本件の課題として、依頼者が建物を解体・塀を新設する前に、土地を買主に売却してしまうという事情がありました。そこで弁護士は、覚書の中に「覚書上の地位の第三者への承継」という条項を設けました。そして土地の売却決済にあわせて、依頼者と買主の連名で隣人に通知を行い、「覚書上の地位承継に関する合意書」を作成することで、塀の解体・新設等の義務を新たな所有者である買主へ法的に確実に引き継がせるスキームを構築しました。
このように、誠実な説明と法的に確実な担保措置を講じたことで隣人の信頼を回復し、無事に「土地境界確認書」および「ブロック塀に関する覚書」にご署名・ご捺印いただくことができました。その後、買主への地位承継の手続きも完了し、土地売却を無事に終えることができました。

平山 友喜 弁護士 平山 友喜 弁護士からのコメント 本件の成功のポイントは、感情的にこじれてしまった隣人関係に対して、「丁寧で誠実なコミュニケーション」と「法的に確実なスキームの提示」の両輪でアプローチした点にあります。
境界確認のトラブルにおいては、隣人の協力が不可欠です。本件のように、業者の初期対応のまずさから相手方が態度を硬化させてしまった場合、ただ法的な正当性を主張するだけでは解決は望めません。当職は、相手方のお考えをしっかりとお聞きした上で、書面と電話を用いて依頼者のやむを得ない事情を丁寧に説明し、信頼関係の回復に努めました。同時に、ブロック塀の違法性や倒壊の危険性という客観的事実を示すことで、撤去・新設が相手方にとってもメリットになることを論理的にご理解いただきました。

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