
最善の解決のため常により良い方法を模索し、提案「依頼者が抱える荷物を軽くするための力に」
「最難関の試験に挑戦し、自分を鍛えよう」
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
法学部に在籍していたのですが、大学に入った当初は、弁護士になろうとは考えていませんでした。私が生まれ育ったところはのんびりした土地で、法律トラブルや弁護士はあまり身近な存在ではなかったんです。
卒業後は大学院に進み、修士課程を修了する年にちょうどロースクール制度がスタートしました。進路に悩んでいた時期で、「世の中で通用するような知の力をつけ、資格を取得したい」「最難関と言われる司法試験に挑戦するという環境に身を置くことで、自分を鍛えよう」と思い、ロースクールに進学することを決意しました。
相続トラブルと中小企業法務に注力
ーー注力している分野を教えてください。
相続と中小企業法務に力を入れています。
相続について相談される方の多くは、何かトラブルが起こってから弁護士のもとに来ます。「自分は親の生前に介護をしていたので、他の相続人より多く財産をもらう権利がある」「あの相続人はずっと親のスネをかじっていた。自分たちと同じだけ財産をもらうのは不公平だ」と、相続人の間に不公平感が生じて対立し、相談にくる方が多いです。
トラブルを防ぐためには、財産を持っている方が、自身の死後に相続人同士が揉めないよう、遺言作成などの対策をしておくことが重要です。遺言書があれば、その内容にしたがって遺産分割がおこなわれるので、相続人同士で遺産の分け方について話し合う必要がなく、紛争を回避できます。
ーー中小企業法務について、相談の傾向などはありますか。
後継者問題に悩んでいる経営者が多いと感じます。「会社を存続させたいが、後継者が決まらない」「自社の株式や財産を後継者に移すにはどうすればいいのか」など、事業承継に関する様々な相談が寄せられます。
事業承継には、大きく3つの方法があります。親族に承継する方法と、従業員などに承継する方法、そして第三者に承継する方法(M&A)です。依頼者の希望や経営状況などを詳しく聞き、最適な方法を検討していきます。
依頼者にとって最善の解決をもたらすため、様々な選択肢を検討
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
とにかく、依頼者にとって一番いい着地点を目指すことです。
相談に来た方に対しては、まずはじっくり話を聞いてトラブルの全貌を把握し、どのような解決を望んでいるのかヒアリングします。
依頼者の中には、「こういう対応をしてください」とおっしゃる方もいます。法律家の目から見て、その対応が最適なのか、もっと他にいい方法があるのではないかと検討し、依頼者にとってベターな選択は何かを考え、提案することを心がけています。
ーー仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか。
トラブルが解決し、依頼者の晴れやかな表情を見られたときです。抱えていた荷物を軽くするための力になれたのかな、と思えると、この仕事をしていてよかったと感じます。
「先生には大変お世話になりました」と感謝していただけることも多く、仕事をする上での励みになっています。
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休日はもっぱら子育てです。子どもと公園に遊びに行ったり、絵本の読み聞かせをしたりしています。
学生時代から読書が趣味で、多いときは1日1冊のペースで読み進めます。
手遅れになる前に、早めの相談を
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
弁護士への相談をためらい、手遅れになってから事務所にいらっしゃる方は少なくありません。早期解決のためには、なるべく早い段階で弁護士に相談し、それ以上事態が悪化しないように対処することが肝心です。
「こんなことを弁護士に話していいのかな」などと心配せず、ちょっとした悩みや疑問でも、お気軽にご相談ください。