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震災5年、避難者17万人「従来の支援策ではこぼれ落ちてしまう人がいる」日弁連会長
村越進・日弁連会長(2015年12月14日撮影)

震災5年、避難者17万人「従来の支援策ではこぼれ落ちてしまう人がいる」日弁連会長

東日本大震災と福島第一原発事故の発生から丸5年をむかえた3月11日、日弁連は被災者支援の改善を求める村越進会長の声明を発表した。いまもなお、全国で避難生活を送る人々の数が17万人以上にのぼることを「極めて深刻な事態」と指摘し、さまざまな支援策の拡充を訴えた。

声明では、「時間の経過とともに、一人ひとりの被災者及び被害者の抱える問題がより複雑かつ深刻になっていること、これまでの支援策ではこぼれ落ちてしまう人々が存在する」と指摘。「一人ひとりの被害に対応したよりきめ細やかな支援が必要とされている」と課題を示した。

被災者の生活再建の支援について、現在は住宅被害を基礎に金銭給付を行う制度になっている。しかし、こうした支援では「生業やコミュニティを含む生活環境のダメージや心身の状態の悪化」が考慮されておらず、被災者それぞれの「過酷な状況」に対応できていないと指摘。被災者生活再建支援員などを配置し、個別の支援策を実行する仕組みに改めるべきだと訴えた。


このほか、原発事故被害者に対する賠償が不十分であることや、避難生活での体調悪化など間接的な原因で死亡する「震災関連死」が増えている問題にも言及。震災関連死については、徹底した実態調査が必要だとした。また、原発の再稼働が各地で進んでいることを「憂慮すべき事態」と指摘して、原発の速やかな廃止を求めている。

(弁護士ドットコムニュース)

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