弁護士として当たり前のことをしっかりとやりきる〜労働、刑事分野に注力
「生活困窮者の力になりたい」思いを原点に
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
大学生のころ、ふとしたきっかけで知り合ったホームレスの方の生活保護申請を手伝ったことがきっかけです。それまで大変苦労されてきた方で、私は「生活保護が受けられるはずだ」と思い提案したのですが、結果的には受給は認められませんでした。
「私にもっと法律や行政の知識があれば、あのホームレスの方は生活保護を受けられたのかもしれない」。そんな思いから法律の世界に進もうと考えるようになりました。
もともと大学では民俗学を勉強していて、将来は国連で働きたいと考えていました。国連職員を目指すにしても、法律家を目指すにしても、法律の知識は必要だと考えて法学部に編入して法律の勉強を開始。その後はロースクールに進学して弁護士を目指すことに決めました。
ーー注力している分野と、その理由について教えてください。
労働と刑事分野に注力しています。
労働分野は、仕事をがんばっている人を応援したいという思いで取り組んでいます。労働者側だけでなく使用者側からも相談を受けることがあります。
刑事分野では少年事件にも取り組んでいます。罪を犯してしまった人が真摯に反省して更生できたり、事件をきっかけに少年がそれまで関係を絶っていた両親と和解できたり。そういった場面に立ち会えることにやりがいを感じています。
少年関係では、弁護士会の「子どもの権利に関する委員会」に所属して、小中学校でいじめ予防のための講義なども行っています。
いじめの加害者、被害者、傍観者、どの立場の子どもたちにも理解してもらえるよう、それぞれの立場からいじめについて考える授業です。実際にいじめで亡くなった被害者の遺書を紹介するなどして、いじめのひどさ、残酷さを自分事として考えられるように工夫しています。
あとは、弁護士を目指した原点として、生活に困窮した人の力になりたいという思いがあるので、災害が関係した相談にも対応しています。弁護士会の災害対策委員会にも参加して、原発事故による被害を受けた方の補償に関する相談を受けたりしています。最近でいうと、コロナを理由に失職してしまった、生活が立ち行かなくなったといった方からの相談に対応することもあります。
これはすべての分野について共通することですが、どんな案件でも、依頼者から感謝されると非常に嬉しいしやりがいを感じますね。
中小企業の支援にも取り組みたい
ーー弁護士として心掛けていることはありますか。
当たり前のことをきちんとやる、ということです。
依頼者に対して解決までの方針をわかりやすく説明すること。すべて依頼者に納得してもらったうえで行動を起こすこと。フットワーク軽く行動すること。弁護士としての知識のアップデートを欠かさないことーー。
これらはすべて弁護士としては当たり前のことだと思っています。だからこそ、決しておろそかにしないように常に意識して実行しています。
ーー弁護士として活動してきたなかで、印象的だったエピソードを教えてください。
弁護士になって初めて担当した国選事件も印象に残っています。
覚醒剤の事件で、被告人は外国人の方でした。常に通訳を介したコミュニケーションが必要で、事件に関係する証人も多く、裁判が決着するまで2年以上の月日がかかりました。
精一杯やったけれども依頼者は納得できたのか、私は十分に依頼者の権利を守るために十分に代弁できたのか、依頼者の思いに応えられていたのかーー。今でもときどき思い出す事件です。
ーープライベートについてうかがいます。休日はどのように過ごしていますか。
最近は神社やお寺めぐりをよくしていて、時間がある時は京都や奈良まで足を伸ばします。正月は必ず、伊勢神宮に参拝しています。都内だと神田神社が好きですね。
あと、柔術にも取り組んでいます。明治神宮で開かれる演武会を目指して練習に励んでいます。
ーー今後の弁護士としての展望について教えてください。
現在注力している労働、刑事、災害の分野に、これまで以上に力を入れていきたいです。これらに加えて中小企業支援にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
私は下町の出身なので、昔から馴染んでいた小さなお店が突然閉店してしまったりすると何とも言えない気持ちになります。がんばっている中小企業を支える取り組みをしていけたらと思っています。
ーー現在、法律トラブルを抱えて悩んでいる人に、先生からメッセージをお願いします。
悩みを抱えていたら、1人で悩まずに気軽に弁護士に相談してください。相談したからといって、必ずその弁護士に依頼しなければならないわけではありません。
医師の診療に不安を感じたらセカンドオピニオンを受けるように、さまざまな弁護士に相談して、その中で自分にあった弁護士を見つけてもらえればよいのではないかと思います。