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清原被告人初公判、傍聴抽選188倍「会社を休んで来た」の声も
整理券を受け取る人たち

清原被告人初公判、傍聴抽選188倍「会社を休んで来た」の声も

覚せい剤取締法違反(所持)などの罪で起訴された元プロ野球選手の清原和博被告人(48)の初公判が5月17日午後1時30分から、東京地方裁判所で開かれる。公判にさきがけて、一般傍聴席の整理券交付が同日午前9時半ごろから日比谷公園でおこわれ、雨の中、一般傍聴席20に対して、3769枚配布された。倍率は188倍だった。

傍聴は抽選であるにもかかわらず、午前8時、雨合羽を着た裁判所のスタッフが、整理券を乗せた台車を交付場所まで運んできたときには、すでに20人ほどが並んでいた。

●一番乗りは午前3時半から「先頭になってやろうと思った」

先頭の男性(33)が並び始めたのは、午前3時半。埼玉県から前日の終電に乗ってやってきたという。「(ミュージシャンの)ASKAさんの裁判のときにも並んだ。並んだのはそのときが初めてで、30番目くらいでした。今度は先頭になってやろうと思って」。清原選手のファンというわけではないが、「自分は広島ファンだけど、すごい選手だった。いつか桑田さんと共演してほしい」という。

男性は長袖のシャツに、ジーパンという薄着。小さな折りたたみ傘しか持っておらず、マスコミの取材攻勢に「こんな降るとは思わなかった。ちょっともうろうとしている。はっきりと答えられず、すみません」と言いながらも熱心に意見を語っていた。「抽選に外れても、いい思い出として記憶に残ると思います」

5時半から並んでいたという会社員男性(49)は、「裁判の日にちが決まったときに、上司に言って休みをとりました。上司からは『お前、清原好きだもんな』と快く受け入れてもらえました」。元高校球児でプロ野球選手を目指していたといい、「清原は一つ下の世代だけど、テレビで見ていて、こいつには勝てないと思いました。自分はケガで野球を諦めたけど、その後は『俺の夢を清原に託そう』と思って応援してきたんです。こんなことになって信じられません」。

名古屋から夜行バスに乗ってきたという自営業の男性(36)は、「夕方に予定があったので、ついでに。自分の地元・群馬県太田市で、(清原被告人が)覚せい剤を購入したということが有名になってしまい複雑な気持ちです」とコメント。元高校球児で、少年野球の指導もしたことがあるという。楽天イーグルスのルシアノ・フェルナンド選手は小学生時代の教え子。「清原は子どもたちの憧れだった。どうしてこうなってしまったのか。本音で話してほしいと思って来ました」

●70代男性「土砂降りなのにみんなよく並ぶねえ

中には、清原被告人の現役時代をあまり知らないと見られる若い人たちの姿も。都内の大学に通う18歳の男子学生は、「自分はバラエティー番組でしか見たことがない。凄い選手だったのに面白くて、そのギャップが好きでした。法学部で、裁判の傍聴にも興味があったので初めて並びました」

このほか、東京都内の40代男性は、「清原は俺たちの世代のヒーローだった。甲子園、西武時代から応援している。覚せい剤をやってたからといって、俺はファンはやめない。むしろ弱い人だったんだと身近に感じた。きょうは傍聴当たらないかもしれないが見守ってやりたい」と言葉を強めて話した。

同じく都内の40代女性は、「現役時代にタイトルをとれなかった清原が好きだった」と回想。「まだ有罪かわからないが、裏切られたと思っている。もし(傍聴券が)当たったら、どんな顔で話すのか見たい。ファンはやめない」と言葉少なげに語っていた。

都内の70代男性は「土砂降りなのにみんなよく並ぶねえ。きょう?清原のツラを拝みにきたんだよ。とてもじゃねぇけどこの人数だと入れねえな」「清原のヤツは若いころから生意気だったんだ。のさばらせたな。もう期待はしてねえよ」と言い放った。

行列は個人だけではないようだ。日比谷図書文化館から大音楽堂にかけては、エキストラ募集業者が手配したとみられる約800人の行列ができていた。

その後、抽選結果が発表され、当選した都内の30代女性は「9時過ぎに並びました。クジ運は強いほうです。自分で裁判を見たいです」と語っていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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