- 窃盗・万引き
【窃盗】【勾留】【準抗告】【不起訴】 突然の逮捕から10日で釈放、否認したまま不起訴を獲得した事例
相談前の状況
富山県在住の50代の男性からのご相談です。
依頼者のお父様は、ある日突然、新潟市に住んでいる20代の娘さんが新潟県の警察署に窃盗の疑いで逮捕されたという連絡を受けました。
ご家族は逮捕の詳しい理由も分からないまま、「早く娘に会いたい」「一刻も早く釈放してほしい」という思いだけを抱え、インターネットで刑事手続きについて調べる中で「逮捕から一定時間が経過すると身柄拘束が長引く可能性がある」という情報にたどり着き、藁にもすがる思いで当事務所に相談の電話をかけました。
弁護士は取り急ぎ初回の接見のご依頼を受け、娘さんが留置されている警察署で接見を行いました。
弁護士がご事情を伺うと、娘さんは現金を盗んだことは絶対にないと強く否認をしていました。
娘さんにはかつて知人女性との間で個人的な金銭の貸し借りがあり、その際に返済義務を認める書面を取り交わしていた経緯があることが分かりました。今回の逮捕容疑は、その知人女性から現金を盗んだという内容でした。
以前に取り交わした返済義務を認める書面が、窃盗の疑いを裏付ける証拠の一つとして扱われていると推測されました。娘さん本人も、取調べで警察から正直に話せと言われており、警察の取調べにどう対応すればよいのか分からず困惑している状態でした。
解決への流れ
接見を弁護士は、お父様に接見の内容、今後の見通しと対応方法を丁寧に説明しました。
その結果、弁護士は正式に弁護人として選任されました。
このまま勾留をされてしまうと、10日間は警察署で留置されたままとなってしまいます。
そこで、弁護士は、勾留を避けるための意見書を裁判所に提出しましたが、残念ながら勾留決定がなされてしまいました。
そこで弁護士は、勾留決定に対する不服申立て(準抗告)を行いましたが、これも認められませんでした。
弁護士は娘さんと相談の上、方針を切り替え、相手方の知人女性との間で示談交渉を試みることにしました。
目的は、示談が成立すれば早期の身柄解放につながる可能性があること、また、交渉を通じて相手方の主張や証拠関係の情報を得ることでした。
娘さんは、絶対に盗んでいないと否認をしていましたが、金銭の貸し借りがあったことは事実であって、証拠上返済義務が認められる可能性があることや、盗んだとされた金額が少額であったことから、まとめて示談をすることにもメリットがあると考えられました。
弁護士は担当の検察官に連絡を取り、実際に相手方へ連絡を取り、示談の提案を行いました。
しかし、相手方は盗んだとされる金額をかなり大きく見積もって多額の示談金を支払うことを強く求め、示談交渉自体は決裂に終わりました。
しかし、この交渉を通じて、相手方が有力な証拠として持っているのは書面のみであり、事件当日の具体的な状況を裏付ける客観的な証拠は乏しいという情報を得ることができました。
弁護士はこの情報も踏まえ、勾留延長がなされた場合に備えて改めて準抗告を行う準備を進めました。
その後、検察官が勾留延長を請求したため、弁護士は速やかに勾留延長決定に対する準抗告を申し立てました。
今回は主張が認められ、逮捕から10日ほどで娘さんは身柄を解放され、無事にご家族のもとへ帰ることができました。
釈放後、最終的に本件は不起訴として終了しました。
また、相手方から金銭を請求する内容の書面が送付されてきた際には、弁護士が代理人として支払い義務がない旨を記載した通知書を内容証明郵便で送付し、この点についても解決に至りました。
清水 祐太郎 弁護士からのコメント
逮捕・勾留という事態に直面すると、ご本人はもちろんご家族も大きな不安を抱え、冷静な判断が難しくなります。
特に「早く出たい」という思いから、事実と異なる供述をしてしまうケースも少なくありません。
今回の事例では、本人が弁護士からのアドバイスを受けて、取調べに対してアドバイスとおりの対応を続けたことが、結果として不起訴という良い結果につながりました。
また、身柄拘束からの早期解放を目指す際には、示談交渉や準抗告など複数の手段を状況に応じて組み合わせることが重要です。
一つの手段がうまくいかなくても、そこで得られた情報を次の手続きに活かすという粘り強い対応が、最終的な結果を左右することもあります。
この事例のポイント
・逮捕直後の初回接見は、本人の状況把握と今後の見通しを立てる上で極めて重要であり、できるだけ早期に対応することが望ましい。
・勾留決定・勾留延長に対しては、それぞれの段階で不服申立ての手続があり、一度認められなくても、さらに証拠集め等をして申し立てることで成功する可能性がある。
・示談交渉は成立しなくても、相手方の主張や証拠関係を把握する重要な機会となり、その後の弁護活動の方針決定に役立つことがある。
突然のご家族の逮捕に直面すると、多くの方が何をどうすればよいのか分からず不安な時間を過ごすことになります。
一刻も早い対応が結果を左右することもありますので、お困りの際はできるだけ早く弁護士にご相談ください。
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