労働問題の解決事例

【企業側】労災を原因とする損害賠償請求に対する対応

50代 男性
この事例の依頼主 50代 男性

相談前の状況 当社は建設業を営む会社ですが,当社が請け負っていた作業現場で,従業員が旋盤で手指2本を切断してしまうという事故が発生しました。
その従業員には労災認定がおりていますが,当社に安全配慮義務違反があるとし,また労災給付ではまかえなかった損害があるとして,当社に対し損害賠償請求を求めています。
どのように対応したらよいのでしょうか。

解決への流れ 労災事故により怪我をした従業員が決められた方法によって作業していないことなどその過失が大きいことを主張・立証したほか,労災により受給したもののうち休業補償給付(特別支給金を除く)や傷害補償一時金が損益相殺の対象となることを主張・立証してもらいました。
その結果,その労働者の休業損害や後遺症逸失利益については労災給付により消滅していることを明らかにすることができ,慰謝料額を過失相殺した,当初予想したよりもはるかに低額な金額で和解することができました。

種村 求 弁護士 種村 求 弁護士からのコメント 労災事故が,後遺症が残るような重大な事故となった場合,その労働者は以下のような給付を受けることができます。
(1)療養補償給付
(2)療養補償費用請求
(3)休業補償給付(特別支給金を除く)
(4)傷害補償一時金
(5)休業特別支給金
(6)障害特別支給金

上記のうち,(3)休業補償給付(特別支給金を除く)及び(4)傷害補償一時金については,損益相殺の対象となりますので,これらを明らかにすることで,請求者の求める支払のうち休業損害や後遺症逸失利益については減額または0円にすることができるときがあります。
もっとも,慰謝料については損益相殺の対象となりませんので,労災からいくら受給していてもこの部分の支払義務を免れることができないことが多いことには注意が必要です。

種村 求 弁護士
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