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ブロッキングめぐり激論…川上氏「気持ち悪くても実害ない」、森弁護士「通信の宛先監視は実害だ」
カドカワの川上量生氏(左)と森亮二弁護士

ブロッキングめぐり激論…川上氏「気持ち悪くても実害ない」、森弁護士「通信の宛先監視は実害だ」

インターネット上に違法にアップロードされたマンガやアニメが閲覧できる「海賊版サイト」の対策を考えるネット番組が6月22日、ニコニコ生放送で配信された。海賊版サイト対策として、ブロッキング(アクセス遮断)を積極的に唱える出版大手カドカワの川上量生社長や、それに反対する森亮二弁護士が激論を繰り広げた。

ブロッキングをめぐっては、法律家やプロバイダなどから、ブロッキングが、憲法で定められた「通信の秘密」や「表現の自由」を侵害する、といった批判があがっている。川上氏はこの日の番組で、「気持ち悪いということはあるかもしれないが、現実問題として、ユーザーに実害はない」と述べた。

このような川上氏の発言を受けて、森弁護士は「実害がないという意見には大いに異を唱えたい。たとえ機械的であっても、通信の宛先を監視されるということは、非常に問題だ。消費者団体も意を唱えている。通信の宛先を監視されることそのものが、実害だ。通信に関する萎縮行為がある」と反論した。

森弁護士によると、たとえば、機械的に通信の宛先をチェックするだけでも、悪用しようと考えた電気通信事業者(プロバイダ)が調べようと思えば、調べることができる。また、通信の宛先の記録について警察が閲覧を要求すれば、そのまま見せることもおこりうるという。

川上氏と森弁護士は知財本部の「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」のメンバーでもある。この日午前には、同会議の第1回会合も開かれており、「ブロッキングでしか解決できない」と主張する川上氏に対して、森弁護士が「ブロッキングありきはいけない」と、他のメンバーに警戒を促していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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