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CD買えばアイドルグループの誰かと「ハイタッチ」――そんな商法に問題はないか?
ハイタッチは喜びを分かち合うときにおこなう動作だ

CD買えばアイドルグループの誰かと「ハイタッチ」――そんな商法に問題はないか?

「天使すぎるアイドル」として、売り出し中の橋本環奈さんが所属するアイドルグループの商法が「えげつなさすぎる」とネット上で話題になっている。

批判の対象となったのは、このグループ「Rev. from DVL(レブ・フロム・ディーブイエル)」が開催した交流イベントのルール。CDを買うと手に入る「ハイタッチ券」に、13人いるメンバーのうち誰か一人の名前が書いてあり、その人とハイタッチできる仕組みだったという。

つまり、人気の橋本さんと確実にハイタッチをしたいファンは「当たり券」が出るまで何枚もCDを買い続けなければならないというわけだ。他のアイドルグループの握手会などでは、自分でメンバーを選べることも多いため、ネット上には失望する声が多く見られた。

それでは、一般論として、アイドルグループが、ランダムに指定されたメンバー1人と「ハイタッチできる券」を封入したCDを販売した場合、法的に問題といえるのだろうか。秋山亘弁護士に聞いた。

●「社会的・倫理的問題」と「法的問題」は次元が異なる

「特定のメンバーとハイタッチをしたいがために、CDを何枚も購入してしまう。そういうファンの心理を利用した商法が、法的に問題かどうかという話ですね。

構図としては、古くからあるおまけ付きの菓子類や、最近だと携帯ゲームに子どもが多額のお金をつぎ込むといった現象と似ているところがあるといえそうです。

しかし、販売方法が社会的・倫理的にみてどうかという問題と、それが法律違反かどうかは、まったく次元の異なる問題です」

秋山弁護士はこのように指摘する。「ハイタッチ券つきCD」の販売は、法的に問題ないのだろうか?

「これがもし、『特定のAさんとハイタッチできる券が入っているCD』として販売されていたにもかかわらず、開けてみたら話が違い、ランダムだったというならば、問題も出てきます。

しかし、CDを開封してみないと誰のハイタッチ券が入っているのかわからない、というルールが販売時に明らかにされていて、ファンもそれを認識したうえで購入していたとすれば、少なくとも法的には、特に問題ないと言わざるをえないでしょう」

秋山弁護士はこのように説明していた。

今回の橋本さんのグループの場合、「ハイタッチ券」のルールについて、多くのファンが事前にしっかり認識できていたのかどうか。そのあたりが、気になるところではあるが・・・

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

秋山 亘
秋山 亘(あきやま とおる)弁護士 三羽総合法律事務所
民事事件全般(企業法務、不動産事件、労働問題、各種損害賠償請求事件等)及び刑事事件を中心に業務を行っている。日弁連人権擁護委員会第5部会(精神的自由)委員、日弁連報道と人権に関する調査・研究特別部会員

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