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グーグル日本法人で労働組合結成、大規模リストラに危機感「社内に不安が広がっている」
労働組合に加入したグーグル日本法人の従業員(2023年3月2日/弁護士ドットコムニュース撮影)

グーグル日本法人で労働組合結成、大規模リストラに危機感「社内に不安が広がっている」

米グーグルが全世界で1万2000人の従業員解雇を発表したことを受けて、日本法人(グーグル合同会社)でも大規模なリストラの動きが懸念されるとして、日本法人で働く従業員らが労働組合「Google Japan Union」を東京管理職ユニオンの支部として結成した。

結成会見をおこなった3月2日の朝には、退職手当について説明する「退職パッケージ」の通知が届いたという。

●予告されていた通知が今朝届いた

ユニオンに加入しているのは、日本法人の社員ら数十人と関連会社「グーグルクラウドジャパン」の社員らだ。グーグルの日本法人で組合がつくられるのは初めてのことだという。

会見に参加した組合員によると、米グーグルで大規模リストラが公表された今年1月以降、一緒に働いていた米国の社員が会社から締め出され、連絡が取れなくなったという。日本法人でも2月1日、社員らに「3月に何らかの知らせを行う」という通知があったそうだ。

アメリカでのレイオフの基準は不明だとして、日本法人の社員らには、成績や立場に関係なく本国同様のリストラがおこなわれるとの不安が広がっている。

社員らは2月22日に労働組合を結成。現在は数十人だが、3月中に50人を超える見込みだという。すでに組合は日本法人に団体交渉を申し入れている。

そのような中、3月2日朝、日本法人の複数の社員を対象に退職パッケージの提案の通知が届いた。

応じない場合にどうなるのか明示されていないものの、応じた場合の解雇手当や、14日以内の早期合意で退職すれば追加手当が出ることや、再就職のあっせんサービスの提供が説明されたとしているという。

ユニオン側の姿勢は、このパッケージに合意する考えはなく、これまで通りに働き続ける考えだ。

●グーグルの社員ら「どんな状況かもわかない」「意味不明」

この日の会見に参加した組合員らは不安とともに、会社への不信を口にした。

「あまりに情報がなさすぎて、何がどういう理由でおこなわれているかわからず不安なため、ユーザーのためにいいものを作りたいという気持ちが出せない。不明な状態が早く終わってほしいです」(日本で暮らして10年以上となる米国籍のダンさん)

就労ビザで働いている米国籍のキャシーさん(29)は、仕事がなくなると日本にいられなくなるかもしれないと話す。

「米国でのレイオフの必要性が明確ではなく、選ばれた基準も意味不明でした。誇りに思って一緒に働いていたメンバーが突然消える状況があって、働くのがつらくなっていました。 私は就労ビザで働いているので、仕事がなくなると日本にいる権利がなくなってしまう。日本を第二のふるさとと考えているんですが、仕事を失うのが毎日不安です」

東京管理職ユニオンの神部紅書記長は「通知は一方的なので、今後上司との面談で具体的な話がなされるのではないか」とみている。

団体交渉では日本法人から出された通知を受けて、誠実な説明などをもとめていく。

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