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2021年01月02日 09時28分

始業前のラジオ体操、任意のはずが「やらないなら首切りリスト」 横暴すぎる上司

始業前のラジオ体操、任意のはずが「やらないなら首切りリスト」 横暴すぎる上司
画像はイメージです(Fast&Slow / PIXTA)

社員全員が参加して、朝礼や掃除を行う職場もあるでしょう。弁護士ドットコムには、「ラジオ体操を始業10分前に任意で自主的に行うよう言われた」という男性が相談を寄せていました。

強制ではなく任意であればやらない自由もあるはずですが、男性はなんと上司から「体操をやらないなら評価しない」「協調性がないならクビを切るリストに名前を挙げる」と言われてしまいました。

「上司の思いつき」で始まったこの制度。当然手当も出ず、就業規則にも載っていないものですが、評価に影響するというのであれば、話は別です。男性は「やらなければ評価に関係させるというのは、どうなのでしょうか?」と疑問に感じているようです。

●評価に影響するなら会社の「命令」

任意で行う取り組みを、仕事の評価に影響させるとなれば、結局、ラジオ体操は自主的ではなく強制的なものとなってしまいます。この場合、労働時間に当たらないのでしょうか。

黒柳武史弁護士は、会社の指揮命令下で行うかどうかがポイントになると話します。

「会社が完全に『任意』で行う取り組みであれば、従業員が拒否しても、それを不利益に考慮することはできません。

逆に、名目上は任意とされていても、不参加が評価等に影響するのであれば、参加を余儀なくされているといえ、『任意』ではなく、会社の『命令』によるものと評価されます。

そして、会社の指揮命令下で行う行為については、始業前のラジオ体操など、業務の準備的な行為を行う場合であっても、原則として『労働時間』と評価されることになります」

「最高裁は、『業務の準備行為等を事業所内で行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、・・・当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価』できるとし、当該行為に要した時間は、基本的に労働時間に該当すると判断しています(平成12年3月9日第一小法廷判決)」

2017年には、自動車メーカーのスズキが、始業前の体操や朝礼を労働時間として把握するよう労基署から是正勧告を受けたこともあります。

黒柳弁護士は「ラジオ体操への不参加が従業員の不利益に考慮されるようであれば、ラジオ体操を行う時間は、『労働時間』と評価されることになる」と話します。

「ラジオ体操の時間が、『労働時間』と評価される場合、会社は、原則としてその時間に対する賃金の支払義務を負うことになります。

また、始業前の行為であれば時間外労働となり、法定労働時間を超える場合は、会社は割増賃金を支払う必要があります。

前述の自動車メーカーの事例でも、労基署からの是正勧告を受けて、社員約500名に対し、未払賃金として合計約1000万円が支払われたと報道されています」

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取材協力弁護士

黒柳 武史弁護士
京都府出身。2007年大阪弁護士会で弁護士登録。2020年京都弁護士会に登録換え。取り扱い分野は、労働事件(主に使用者側)を中心に、建築・不動産に関する事件や、一般民事・家事事件など。

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