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2020年12月22日 10時04分

「おたく、弁償してくれるの?」 朝5時から「アイドリング騒音」撒き散らす隣人、まさかの逆ギレ

「おたく、弁償してくれるの?」 朝5時から「アイドリング騒音」撒き散らす隣人、まさかの逆ギレ
アイドリング禁止の駐車場も少なくないが…(tonko / PIXTA)

アパートのすぐそばに駐車場があることは少なくない。日常的に車を利用する住人にとっては便利だが、近くにあることでかえって悩まされるケースもあるようだ。

弁護士ドットコムに「アパートの駐車場でアイドリングされて困っている」という相談が寄せられている。

相談者はアパート一階の住人で、窓を開けると目の前に駐車場がある。そこで隣人の車が毎日アイドリングをしており、騒音と排気ガスに困っているようだ。

早朝でも、昼間ベランダに洗濯物や布団を干していてもお構いなし。午前5時前に10分以上アイドリングをしていることもあるという。相談者は赤ん坊を育てているが、窓を開けると排気ガスが家の中に入ってきてしまうため、暖かい日でも締め切って過ごしている。

アイドリングをやめるようお願いしたこともあるが、隣人は「販売店に暖機運転しないとエンジンなどがダメになると言われた。(もしアイドリングせずにエンジンが壊れた場合に)おたくがエンジン買ってくれるならいいですけどね」と開き直り、やめてくれないようだ。

早朝のアイドリングで睡眠を妨げられている相談者としては、自身の生活環境を守るためにもなんとかアイドリングをやめさせたいようだが、どうすれば良いのだろうか。近隣紛争にくわしい木村光伸弁護士に聞いた。

●都道府県ごとに環境確保条例がある

——アイドリングに関係する法規制はどのようなものがありますか。

軽犯罪法、刑法、環境確保条例などが考えられます。

まず、軽犯罪法は、「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者は拘留又は科料に処する」と定めています(1条14号)。

この場合、仮にパトロール中の警察官が注意したにもかかわらず、アイドリングを続けて騒音を出し続ければ、軽犯罪法違反になりますが、たいていの場合は、注意だけで終わってしまうことがほとんどです。

次に、他人に不眠や頭痛などの被害を与えた場合、傷害罪(刑法204条)に問われる可能性が考えられます。有名な事例として、あの「騒音おばさん」事件が挙げられますが、今回のようなケースが起訴にまで発展することはほとんどないため、これも現実味が薄いかもしれません。

——たしかに傷害が発生したとまでいえるケースは少なさそうです。

最後に、都道府県ごとに異なる環境確保条例が制定されています。

たとえば、東京都の場合、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」で、自動車等を駐車または停車する際のエンジンを停止する「アイドリング・ストップ」義務が定められています(同52条)。

また、20台以上収容できる駐車場の設置者および管理者は、駐車場の利用者に対して、看板の掲示などにより、アイドリング・ストップの周知をする義務があります(同54条)。

これらの規定に違反した場合、義務違反者に対して必要な措置をとるよう勧告し(同56条)、正当な理由なく勧告に従わないときには違反者の氏名を公表することとなっています(同156条1項)。

●騒音被害の状況を録音するなど備えておくとベター

——アイドリングをやめさせるためには、具体的にどうすればよいのでしょうか。

具体的な方法としては、主に次のようなものが考えられます。

(1)各自治体の環境問題を扱う部署に相談する
(2)駐車場の貸主に相談する
(3)管轄地域の警察署に相談する
(4)騒音防止仮処分の申立てをする
(5)管轄の簡易裁判所に民事調停の申立てをする
(6)人格権侵害を原因とする損害賠償請求や差止請求(民法709条)をおこなう

(1)〜(3)は、どこまで効果があるのか、ケースバイケースのため、実効性が高いとは言いにくく、(4)も、家庭における生活騒音の発生は、不規則的かつ一時的なものであるため、裁判所が仮処分を発令するケースはほとんどなく、現実的な手段とは言い難いでしょう。

(5)は、第三者の調停委員が、相手方との間に入って、話し合いを斡旋してくれるため、柔軟な解決ができます。

(6)については、騒音が社会通念上の受忍限度を超えるときに認められます。もっとも、受忍限度を超えていることは、被害者側が証拠を提出して立証活動をおこなう必要があるため、騒音被害の状況を録音するなど、事前準備が必要になります。

●アパートを借りる前に情報収集する

——今回のようなトラブルを予防するための対策はありますか。

アパートなどに住んでいると、生活騒音などの日常のトラブルは誰にでも生じ得ます。

しかし、生活騒音は決まった時間に生じるわけではなく、その時々によって、騒音の大きさも異なる場合がほとんどです。そのため、このようなトラブルを未然に予防するための実効的な措置は、残念ながらあまり見当たりません。

したがって、賃貸借契約を締結する際に「そのアパートには、どのような人が生活しているのか」「近隣でのトラブルが現に生じていないか」などについて、現地調査するなど情報収集をすることが重要でしょう。

取材協力弁護士

木村 光伸弁護士
第二東京弁護士会所属。離婚、相続や近隣紛争など、身近な法律問題について、紛争解決を中心に、日々、業務に取り組んでいる。

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  • 駐車場のマナー(白熊 / PIXTA)