人気アイドルグループ「嵐」の二宮和也さんが結婚するというニュースが11月12日に報道されました。Twitterでは、この「悲報」を知った女性ファンたちの悲鳴が上がりました。その中には「ニノロス」のショックのあまり、「寝込んだ」「仕事を休みます」という人も続出しました。
なぜか俳優の浅野忠信さんまで、「ニノ結婚するなんて…仕事休もうかな。」とツイート。13万以上の「いいね!」を集める反響を呼びました。
ニノ結婚するなんて…
— 浅野忠信 ASANO TADANOBU (@asano_tadanobu) November 12, 2019
仕事休もうかな。
ファンたちの心痛を思うと、仕事が手につかないという人もいると思います。ただ、「好きなアイドルが結婚してショックを受けた」は、会社を休む正当な理由にあたるのでしょうか。労働問題にくわしい大山弘通弁護士に聞きました。
●年次有給休暇は理由を告げなくても取得可能
「そもそも、労働者は、年次有給休暇という、理由に関係なくいつでも休むことができる権利があります(労働基準法39条)。この権利を行使すれば正当な理由かどうか関係なく、休んだり、早退したりすることができます」
有給休暇は、どんな場合に取得できるのでしょうか?
「年次有給休暇は、6カ月以上継続勤務し、8割以上出勤していれば、向こう1年間で10日以上、賃金をもらいながら休めるという制度です。
パートやアルバイトのような短時間勤務の労働者でも、日数は少なくなりますが年次有給休暇を取得できます。しかも、日本での有給休暇の取得率は50%にも満たない低率です。このような年次有給休暇の制度を利用しない手はありません」
なお、年次有給休暇の取得にあたっては、理由を告げる必要はないそうで、ニノロスを癒すには使いたいところです。
しかし、結婚報道の多くはある日突然、やってきます。ニュースを聞いたその日に「きょうは会社休みます」「早退します」と言って、休めるのでしょうか?
「会社としては、従業員が突然休むと困る場合もあるでしょう。
有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、会社は有給休暇の取得時期を変更するよう従業員に要求することができます(労働基準法39条5項)。
このように会社が取得時期の変更を要求した場合、有給休暇を取得できないことに注意が必要です」