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2013年12月21日 12時34分

ドワンゴが入社試験で「受験料」徴収――報酬受領を禁じた「職安法」に違反しないの?

ドワンゴが入社試験で「受験料」徴収――報酬受領を禁じた「職安法」に違反しないの?
ドワンゴは「本気で当社で働きたいと思っている方に受験していただきたいから」、受験料をとることにした、と説明している

就職活動のシーズンが幕を開けた2015年卒業予定の学生たち。その就活生を対象にした入社試験において、ニコニコ動画で知られるドワンゴが「受験料」をとると発表し、大きな話題になっている。

ドワンゴによると、受験料は2525円。同社は現在の就活について、<ネットで便利にエントリーができるようになった結果、一人で何社も内定を得る人がいる一方で、一社も受からない人がいる。企業の側も、受験者が多くなりすぎたために、採用の手間が増えている>などと分析。そのうえで、「本気で当社で働きたいと思っているかたに受験していただきたい」から、受験料をとることにした、と説明している。

この発表に対し、ネットでは好意的な意見がある一方で、「企業が応募者からお金を取って良いの?」という疑問の声もあがっている。企業が採用試験の受験料を徴収することに、法的な問題点はないのだろうか。労働法にくわしい竹之内洋人弁護士に聞いた。

●職安法は、労働者の募集に関する「報酬受領」を禁じている

「今回の受験料については、職業安定法に違反しないかという点が問題となりえます」

竹之内弁護士はこう述べる。どういうことだろうか。

「職業安定法39条は、『労働者の募集を行う者……は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない』と規定しています。『いかなる名義でも』という規定からすると、募集に応じた就職希望者から受験料を徴収することは、同条に違反するのではとの疑問が生じます」

この点については、どう解釈すればいいのだろう。

「法律の条文をどう解釈すべきなのかは、最終的には裁判所が示すわけですが、この条文の解釈について示した裁判例は、少なくとも公刊物に載ったものはないようです」

何か解釈の参考になるようなものはないのだろうか。

「そのような場合、労働法分野では、厚労省の示している解釈が重視されます」

竹之内弁護士はこう指摘する。

●厚労省の「取扱要領」によると・・・

「この点について、厚労省は、『労働者募集業務取扱要領』の中で、次のように記しています。

『募集とは……被用者となることを勧誘することであり、採用試験は募集に応じた者から雇用することとなる者を選考するために行うものであるため、募集とは別の行為である。このため、採用試験の手数料を徴収することは法第39条の報酬受領の禁止には該当しない』

つまり、職安法39条の規定は、『勧誘に応じた人に採用の見返りを要求してはいけない』ということで、他方で採用試験は勧誘行為ではないから対象外だ。したがって、受験料徴収は職業安定法には違反しない、というのが厚労省の解釈です」

ということは、2525円の受験料が「採用試験の手数料」にあたるとすれば、職安法には違反しないと言ってよさそうだ。

竹之内弁護士は「他の法律との関係でも、明らかな違法性はないように思われます」と述べたうえで、「もっとも、違法ではないとしても、それが良いことなのかどうかは意見の分かれるところでないでしょうか」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

竹之内 洋人弁護士
札幌弁護士会、日本労働弁護団員、元日本弁護士連合会労働法制委員会委員
事務所URL:https://www.pslaw.jp/

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