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「今の司法はアンフェア」再審法改正に“冤罪”被害者や遺族がうったえ、全面的な証拠開示求め「修正を」
記者会見する冤罪の被害者や遺族ら(2026年7月1日/東京・霞が関の司法記者クラブ/弁護士ドットコム撮影)

「今の司法はアンフェア」再審法改正に“冤罪”被害者や遺族がうったえ、全面的な証拠開示求め「修正を」

刑事裁判のやり直し「再審」制度の見直しをめぐり、警察や検察による証拠隠しに苦しまされてきた冤罪の被害者や遺族が7月1日、証拠の全面開示などを義務付けるよう求める要請書を国会議員に配布して回った。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

●「欠陥」を指摘されたまま法案が衆院を通過

再審制度の見直しに関する刑事訴訟法の改正案をめぐっては、衆議院を通過し、現在は参議院で審議がおこなわれている。

しかし、今の法案には、再審を請求する本人に証拠を直接開示したり、検察側がどのような証拠を持っているのかの一覧表を開示したりする仕組みがなく、開示された証拠を支援者や報道関係者に見せることを禁じる「目的外使用の禁止」規定が含まれるなど、「改悪だ」といった批判が相次いでいる。

再審で無罪になった袴田巌さんの姉・ひで子さん(93)も、衆議院法務委員会に参考人として出席した際、「この法律で通されてしまうと、巌も助からず、処刑されてしまっていたと思います」と強い懸念を示した。

●参院議員に要請書「再審請求人に幅広い証拠開示を」

こうした中、参議院で法案の修正を実現するため、冤罪の被害者や遺族らが7月1日、以下の4点を求める「真の再審法改正を求める要請書」を参議院議員に配って回った。

・裁判所が検察官に対して、再審請求人・弁護人への幅広い証拠開示を命じることができる規定を設けてください。
・証拠一覧表(証拠リスト)を再審請求人・弁護人に交付(開示)する規定を設けてください。
・証拠の目的外使用を一律に禁止する規定は削除してください。
・再審開始決定に対する不服申立て(検察官抗告)は、例外なく全面的に禁止(廃止)してください。

●日野町事件の冤罪遺族「法案は証拠開示が生命線」

この日、冤罪の被害者らは東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。

1984年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件「日野町事件」で、無期懲役刑が確定し、無実をうったえながら服役中に病死した阪原弘(さかはら・ひろむ)さんの長男、弘次さんも参加した。

阪原さんが亡くなった後の裁判のやり直し(死後再審)で捜査機関が隠してきた新たな証拠が開示され、それによって阪原さんの無罪がほぼ確実になったことを紹介した上で、次のようにうったえた。

「すべては捜査側の証拠捏造によって父は有罪にされたわけです。いかに証拠開示が大事であるかを物語っていると思います。

証拠がすべて開示されれば、真犯人の人は真犯人、そうでない人は無罪判決が出るはずです。だとするなら、再審法改正案は証拠の開示こそが生命線です。

冤罪で苦しんでいる多くの方々のために、すべての証拠が開示された中で公平な裁判をおこなっていただきたい。そういう法制化をしてほしい」

●中学生殺人事件で服役後に無罪、前川さん「今の司法はアンフェア」

1986年に福井市で起きた女子中学生殺人事件で、服役後に無罪が確定した前川彰司さんは、「再審が認められることは、ラクダが針の穴を通るより難しい」といわれる例えを持ち出して、次のように語った。

「もっと証拠開示が進めば、大きな針の穴になり、今後ラクダが何十頭も通ることができるようになる。参議院で法案が修正され、全面的な証拠開示になるように、1億2000万人の国民にうったえたい。今の司法はアンフェアです」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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