2019年07月27日 10時17分

妻が子どもを置いて「4年半」も姿を消した…離婚して人生やり直したい!

妻が子どもを置いて「4年半」も姿を消した…離婚して人生やり直したい!
写真はイメージです(Graphs / PIXTA)

「落ち着いたら連絡します」。このような手紙を残し、小学校入学前の息子を置いて、4年半前に妻が家を出て行きましたーー。弁護士ドットコムに子どもと2人で生活しているという男性が相談を寄せています。

相談者によると、妻からの連絡は4年半の間、1度たりともないようです。妻の実家も連絡が取れず、警察にも届けを出したといいます。

前に進もうと決意し、相談者は離婚を請求したいと考えています。しかし、妻は行方不明。相談者はどのように離婚の手続きを進めるべきか、そもそもこのような場合に離婚は認められるのかと悩んでいる様子です。

●「悪意の遺棄」にあたる可能性も

民法770条が定める離婚理由は、(1)不貞行為 (2)悪意の遺棄 (3)生死が3年以上、明らかでないとき (4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき (5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、の5つです。

相談者は、調べていくうちに「悪意の遺棄」にあたるのではないかと思ったようです。

夫婦には、同居して婚姻費用を分担し、協力し合うという義務があります。「悪意の遺棄」は、配偶者との同居を拒否したり、生活費を払わなかったりすることをいいます。

ただし、夫婦喧嘩の末にどちらかが数時間から数日間程度の家出をしたというような場合は「悪意の遺棄」にはあたりません。離婚原因として認められるには、夫婦の義務を放棄する状態が相当期間(数カ月程度)続いていることが必要となります。

今回のケースでは、妻が夫婦の義務を放棄する状態が4年半続いています。このような場合は「悪意の遺棄」にあたる可能性があるのでしょうか。

離婚問題に詳しい山口政貴弁護士は「4年半も連絡もなく別居状態が続き、同居義務を怠っているとなると、正当な理由がない限り悪意の遺棄に該当することはほぼ間違いないでしょう。裁判になれば民法770条の規定により離婚が認められるものと思われます」と説明します。

なお、妻の生存が3年以上確認できていない場合は「生死が3年以上、明らかでないとき」にあたる場合もあります。ただし、妻が生きていることは分かっているものの、居場所が分からない、連絡が取れないなどの場合は生死不明にはあたりません。

●相手が行方不明でも離婚はできる

妻が行方不明である以上、夫婦2人の話し合いによって離婚すること(協議離婚)は難しいでしょう。では、どのように離婚の手続きを進めればよいのでしょうか。

協議離婚できない場合には、裁判所での調停、裁判へと進むことになります。しかし、相手が行方不明であれば、調停を経ずに家庭裁判所に離婚訴訟を提起することになります。

訴訟を提起すると、裁判所は相手方に対して訴状を郵送します。しかし、行方不明の妻に郵送しようにも、住所が分かりません。

そこで、このような場合は、「公示送達」という手続きが取られることになります。公示送達は、裁判所の掲示板に文書を掲示することで、相手方に訴状が届けられたことにするというものです。

公示送達後2週間がすぎると、相手方が出頭しなくても裁判を進めることができます。そして、離婚原因があると認められれば、離婚をすることができます。ただし、相手が何も知らない間に離婚が成立することになるので、裁判所は公示送達の利用には慎重です。

取材協力弁護士

山口 政貴弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。

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