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「感情的になり過ぎて」不倫の事実を相手の妻にDMで伝えた、法的問題はある?
(maruco / PIXTA)

「感情的になり過ぎて」不倫の事実を相手の妻にDMで伝えた、法的問題はある?

「感情的になり過ぎてうかつな行動を取ってしまった」と語る女性からの相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者は、既婚者の男性と不倫関係にありました。しかし、不倫のことで感情的になり、他人を装ったSNSアカウントを作成して、男性の妻に不倫の事実をDM(ダイレクトメッセージ)で暴露してしまいました。

不倫相手の男性は「暴露した奴を見つけ出して、名誉毀損で訴えてやる」と激怒しています。不倫の事実を不倫相手のパートナーに知らせる行為は、法的に問題があるのでしょうか。新保英毅弁護士に聞きました。

●慰謝料請求をされる可能性も

不倫をしているという事実は人の社会的評価を下げる事実ですので、これを不特定多数に伝播するように告げると、名誉毀損罪(刑法230条、法定刑は3年以下の懲役または禁錮、50万円以下の罰金)として刑事責任を負う可能性があります。

ただ、今回のケースでは、相手男性の妻のみにDMを送信したということですから、伝播可能性の点で、刑法上の名誉毀損罪には当たらないでしょう。

とはいえ、今回の暴露行為は、人の社会的評価を下げるとともに、プライバシーを侵害するものです。民事上は、不法行為と評価され、男性から慰謝料請求をされる可能性があります。

今回のような不倫の暴露による慰謝料額は、10~30万円程度と予想されます。もっとも、暴露するに至った背景に、相手男性が既婚者であることを隠していたりウソをついて交際していった相手男性にも落ち度がある場合は、慰謝料額が減額されたり、慰謝料請求自体が制限されることもありえます。

なお、不倫関係自体が相談者と相手男性による共同不法行為と評価され、相手男性の妻との関係で不貞慰謝料が発生します。今回の暴露行為がきっかけとなって、相手男性の妻から相談者に対する不貞慰謝料の請求をひき起こす可能性もあるでしょう。

プロフィール

新保 英毅
新保 英毅(しんぼ ひでたか)弁護士 新保法律事務所
2004年弁護士登録。相続・遺産分割事件、中小企業の法務の案件を多く取り扱っている。モットーは「依頼者ひとりひとりに適したオーダーメイドのサービス」。

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