新型コロナウイルスの感染拡大を契機に自転車を利用する人が増えています。しかし、それに伴い、自転車トラブルも増加しているようです。
弁護士ドットコムには、自転車に関する相談が多数、寄せられています。中でも目立つのが歩行者と自転車との間に起きたトラブルや事故です。
●狭い歩道で危険な接触事故
ある男性は平日の朝、出勤するために最寄駅に向かって歩道を歩いていた際、正面から走ってきた自転車と接触してしまいました。
幸いケガはなかったのですが、自転車に乗っていた女性の反応にモヤモヤしているそうです。
すれ違いざま、相談者の右肘と相手の女性の右腕とがわずかに接触。女性はわざわざ引き返してきて相談者に「わざと避けずにぶつけてきたんでしょ」と激怒したのです。
相談者は「歩道なんだから自転車が停止すべき」と主張しましたが、女性は「あなたが悪い」と自分の非を認めませんでした。
相談者は相手の言い分に怒りを覚えていますが、「もし警察を呼ばれた場合、本当に自分の立場は大丈夫なのか」と不安になっています。
法的にはどう考えられるのでしょうか。前島申長弁護士に聞きました。
●法的には?(前島申長弁護士)
道路交通法では自転車は「軽車両」であり、車両の一種です。自転車は歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行する必要があります。
道路状況次第では、歩道を走ることが可能な場合もあります。しかし、その際でも自転車が歩行者の通行を妨げることになるときは一時停止しなければなりません。
ご相談のケースでも、女性は歩道の車道寄りに自転車を移動させるか、もしくは、一時停止してあなた(歩行者)が通り過ぎるのを待つべきだったと考えられます。