16歳の娘が「パパ活」をしていたと判明したーー。そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。パパ活とは、男性から金銭をもらう代わりに、食事や親密な時間を過ごすことで、かつては「援助交際」という名称でも知られた行為です。
相談者によれば、娘はまだ16歳。ある男性とは食事をしただけでお小遣いをもらい、2人目と会ったそうです。しかし「無理やり多目的トイレで性行為をされた」ため、警察に被害届を提出することになり、相談者も事態を把握したそうです。
わかっているだけで4人の男性と不適切な行動があり、「娘が多数の異性(成人)と関わっていたことから大変ショックを受けました」。
親にとっては娘が性暴力被害にあったこと、パパ活をしていたことは大きなショックだったはずです。相談者は「娘は何かしらの処罰はあるのでしょうか」と質問をしています。相談者には何ができるのでしょうか。小田紗織弁護士に聞きました。
●娘が処罰される可能性は?
——パパ活をした娘が処罰される可能性は有るのでしょうか
少女が金銭などを受け取り、性交などをした場合、相手の男性側は処罰の対象となりますが、少女は処罰の対象とはなりません。とはいえ、娘さんも事情を聴かれたりスマートフォンを提供したり、捜査の対象にはなってしまいます。
——同意ない性交については、強制性交だとして刑事処分を求めることはできるのでしょうか
「無理やり多目的トイレで性行為された」ということであれば、強制性交罪(刑法177条)に該当します。また、各都道府県にある青少年愛護条例違反や児童買春法違反、児童福祉法違反にも該当します。
●「少女たちの心身の未熟さに大人が付け込んでいる」
——我が子がパパ活をしていると親が知った場合、どのような対応が望ましいのでしょうか
「パパ活」というと親しみやすいイメージですが、買春や強制性交といった犯罪の温床になっており、社会問題になっていますね。
少女たちは効率的にお金を稼げる方法としてパパ活をしているようにも見えますが、寂しさや不安を埋める拠り所としていることも多いようです。自分が必要とされているように感じる、自己顕示欲が満たされるように感じる、そういった少女たちの心身の未熟さに大人が付け込んでいるのです。
私は心理などについて専門の知識はありませんが、単にパパ活をするのは悪いことだと叱るとか、お小遣いをあげるからやめなさいというのではなく、まずはパパ活に至った背景や心に寄り添って話を聞いてあげることが大切だと思います。
そのうえでパパ活は犯罪につながる危険のあること、自分自身を大切にして欲しいことを伝えていくべきではないでしょうか。ただ、実際に娘がパパ活をしていると知ると親はとても動揺するでしょうし、理想のとおりに対応するのは難しいですね。日頃から、娘さんが親に性のことでも何でも相談しやすい関係性を築いておくのが大事なのだと思います。