「私は内縁の妻と認められるでしょうか」。
10年近く同棲している恋人の浮気を知った女性から、弁護士ドットコムにこんな相談が寄せられています。
女性によれば、恋人は別の交際相手との肉体関係があったことを認め、それを裏付けるメッセージのやりとりもあるそうです。
女性は結婚した妻の立場ではないとしても、「少額でもいいから責任を取ってほしい」と、浮気相手への慰謝料請求を考えています。
女性によると、恋人とはでお互い、内縁関係という認識があったといいます。過去には結婚の話も出るなど、今も婚姻届を出そうと思えばいつでも可能な状態だそうです。
また、共通の友人には「長く一緒に暮らし、生計を共にしている」と伝えており、家賃や食費、光熱費などは互いに負担してきたといいます。
「内縁」とはどのような状態を意味するのでしょう。そして、女性の慰謝料請求は認められるのでしょうか。離婚・男女問題にくわしい寺岡慎太郎弁護士の監修で解説します。
●同棲が長いだけでは「内縁」にならない
──長く同棲していれば、「内縁の妻」と認められるのでしょうか。
「内縁」とは、婚姻届を出していないものの、実質的には夫婦として共同生活を送っている関係をいいます。「事実婚」と呼ばれることもあります。
ただし、同棲の期間が長いだけで、必ずしも内縁と認められるわけではありません。場合によっては単なる「ルームシェア」と判断されることもあります。
内縁と認められるには、夫婦として共同生活を送る意思と、共同生活の実態が必要です。住民票の続柄を「妻(未届)」としているか、生計を一つにしているか、周囲に夫婦としてふるまっているかなどを総合して判断されます。
今回のケースでは、長年の同居や結婚の話、友人への説明、「内縁の妻と夫」という二人の認識は、内縁を認める方向にはたらく事情です。
●内縁なら浮気相手への請求は可能、ただし「相手の認識」が壁に
──内縁と認められた場合、浮気相手に慰謝料を請求できますか。
内縁と認められれば、請求できる可能性があります。
過去の裁判例でも、内縁は「婚姻に準ずる関係」とされ、互いに貞操を守る義務を負うと考えられています。
ただし、内縁は戸籍に載らないため、浮気相手から「内縁だとは知らなかった」「夫婦同然の関係だとは知らなかった」などと反論されることもあります。
相手が二人の関係をどこまで知っていたかを示すメッセージなどがあれば、早めに確保しておくとよいでしょう。