ギリシャのサントリーニ島のホテルの部屋を飾りつけてプロポーズしたのに、「求めていたものと違う」とやり直しを求められたーー。そんな男性の投稿がThreadsで話題になっています。
投稿によると、男性は今年、交際中の女性(ともに30代)に旅行先でプロポーズしました。女性は受け入れたものの、帰国後に不満を口にするようになったそうです。
2カ月後にはレストランで改めてプロポーズしましたが、それでも最終的には「大勢の人の前で、白いバラの花束をひざまづいて渡すプロポーズがいい」と求められたといいます。
そのため演出業者にまで相談を始めた男性ですが、「こうも何回もやり直してと言われると、正直冷めてくる」と胸の内を明かしました。
投稿には多くのコメントが集まり、男性を気づかう声とともに、「この相手との結婚はやめろ」といった反応が女性たちからも寄せられています。
プロポーズをなかったことにして、婚約を破棄することはできるのでしょうか。原口未緒弁護士の監修で解説します。
●プロポーズを受け入れた時点で「婚約」は成立
──プロポーズをした場合、法的にはどうなりますか。
婚約とは、将来結婚しようという約束です。指輪や結納といった形式がなくても、2人が真剣に結婚を約束していれば成立します。
女性はプロポーズの演出に不満を述べていますが、結婚そのものを撤回してはいません。そのため、2人はすでに婚約していると考えられます。
●「冷めた」だけでは正当な理由になりにくい
──男性の側から婚約をやめることはできますか。
結婚は強制されないため、婚約を解消すること自体はできます。ただし、正当な理由なく一方的に破棄すれば、損害賠償の責任を負うことがあります。
正当な理由と認められやすいのは、相手の浮気や暴力など、結婚しなくても仕方がないと客観的にいえる事情です。「気持ちが冷めた」「価値観が合わない」だけでは、認められにくいのが一般的です。
プロポーズのやり直しを求められたことも、それだけで正当な理由とはいいにくいでしょう。もっとも、人格を否定するような言動が続いていたといった事情があれば、判断が変わる可能性もあります。
●慰謝料や準備費用を請求されることも
──正当な理由がないとされた場合、どうなりますか。
女性から、慰謝料や、式場のキャンセル料など結婚準備にかかった費用の賠償を求められることがあります。ただ、準備があまり進んでいない段階であれば、額は抑えられる方向に働くと考えられます。
なお、婚約指輪を贈っていた場合、正当な理由なく破棄した側から返還を求めるのは難しいとされます。旅行や演出にかけた費用も、男性の自己負担となるでしょう。
●「一度立ち止まり」
男性はその後の投稿で、「一度立ち止まり、本当にこの人と一緒にやっていけるのか考えたいです」とつづっています。
──原口弁護士も、華やかすぎるプロポーズを求めて結局は「失敗」したカップルを見てきましたか。
はい。私がそばで見たケースでも、妻となる女性が華美なプロポーズを求め、華美な結婚式、そして華やかな生活まで求めた結果、新婚早々に夫が耐えかねて離婚となりました。
好きな女性の望みを叶えてあげたいと思う男性も少なくありません。しかし、女性側の望みが度を過ぎたり、度重なると、愛情の喪失につながるようです。
お互いの思いやり、協力は、夫婦関係の基礎となるものだと思います。
お互いに精神的に自立し、夫婦の間に「健全な境界線」を引くことができる安定した相互依存関係が、末永く続く仲の良い夫婦円満の秘訣かと思われます。