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2018年11月12日 09時49分

引退したはずの大仁田、「7度目」の復活…毎度の引退興行は「閉店商法」と同じ?

引退したはずの大仁田、「7度目」の復活…毎度の引退興行は「閉店商法」と同じ?

現役復帰を果たしたプロレスラーの大仁田厚氏が10月28日、プロレスリングA-TEAMの10・28鶴見青果市場大会に出場して、勝利した。大仁田氏は昨年10月に7度目の引退を宣言しており、今回で7度目の現役復帰ということになる。

スポーツ報知によると、大仁田氏は復帰戦をあくまで「ボランティアレスラー」のデビュー戦と位置付けており、「ボランティアレスラーには引退もないし、好きな時に出て好きな時に去る」と語るなど、邪道ぶりを見せつけている。

引退と現役復帰の繰り返しがあまりにも多いため、ネット上では「定期的な引退が、もはや行事になってるね」という声も上がっている。ボランティアレスラーとはいえ、8度目の引退をする可能性もありそうだ。

引退興行でお金を集めていることを指摘して「引退詐欺」と揶揄する人もいるが、このような引退興行は、いわゆる「閉店商法」と同じではないのか。前島申長弁護士に聞いた。

●景品表示法の観点から分析すると…

「本当は店じまいをする意思がないにもかかわらず、あたかも店じまいをするかのごとく装い、在庫一掃の安売りセールである旨を表示して、大量の客足を呼び込む商法を『閉店商法』といいます」

法律ではどう規制されているのか。

「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の5条1項2号では、事業者が、自己の提供する商品・サービスなどの取引で『不当表示』をすることを禁じています。すなわち、価格などの取引条件について、『実際のものよりも著しく取引の相手方に有利であると誤認される表示』つまりこれはとてもお得な取引条件だと消費者に思わせて、不当に顧客を誘引することを禁止しています。

そのような表示は、一般消費者の自主的で合理的な選択を、阻害する恐れがあるからです」

では、7度に渡る大仁田氏の引退興行も、景品表示法で禁止された「不当表示」にあたるだろうか。

「引退興行の場合は『今回を逃すと二度と見ることが出来ない』という認識を一般消費者に与えます。

しかし、引退興行のチケットが、他の興行のチケットに比べ特別な値引きがされていることはありませんし(逆にプレミアがつくと思われます)、一般人も引退興行だから安くチケットが買えるとは思いませんので、引退興行だからといって価格的に有利な取引であると誤信させることはないと思われます。

また、引退の性質上、極めて選手の主観が影響を及ぼすものです。本当に引退すると考えていてもその後、また復帰して活躍したいと思い直すことはままあることでしょう。選手の意思の変化が景品表示法で禁止されることはないと思われます。

確かに大仁田選手の7度の引退というのは、珍しいケースであることは事実でしょう。しかし、ファンが、『どうせまた復帰するであろう』と考え、チケットの売れ行きが悪くなるというようなことはあるかもしれませんが、法的に違法という問題は生じないと思われます」

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

前島 申長弁護士
前島綜合法律事務所代表弁護士 大阪弁護士会所属
交通事故・不動産紛争などの一般民事事件、遺産分割・離婚問題などの家事事件を多く扱う。中小企業の事業継承や家族信託などに注力を行っている。
事務所URL:

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