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平愛梨さんが戸惑った「乳児との入店拒否」、広がりが期待される「赤ちゃん泣いてもいいよ!」社会
「泣いてもいいよ!」ステッカーのデザイン

平愛梨さんが戸惑った「乳児との入店拒否」、広がりが期待される「赤ちゃん泣いてもいいよ!」社会

「泣いてもいいよ!」。WEBメディアのウーマンエキサイトが2016年5月から始めた「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」で作るステッカーが、じわじわと広がっている。スマホなどに貼って見せることで、子連れで苦労するママやパパの気持ちを少しでも楽にしようというアイデアだ。

●「泣いてもいいよ」という気持ちを可視化

プロジェクトへの賛同企業(大型手芸用品店ユザワヤなど)を通じ、約6万枚が配られた。自治体も関心を示し、17都道府県がプロジェクトに賛同。実際に賛同したある店舗では、赤ちゃん連れの親が入店時に申し訳なさそうにしている様子を見て、店側がステッカーを貼ることで「泣いてもいいよ」という気持ちを可視化しているという。

最近では、夫でサッカー日本代表の長友佑都選手(ガラタサライ)とともにトルコで暮らす女優の平愛梨さんが、8月28日に更新した自身のブログで、日本と海外での子どもに関わるルールの違いについて戸惑いを明かしたことが話題になった。日本ではジムやカフェで「乳児の入店お断り」だったという内容で、突き放すような反応もネット上には見られた。

社会が赤ちゃんにどう向き合うかーー。考え方は人それぞれだが、WEラブ赤ちゃんプロジェクトの発足を呼びかけたエッセイストの紫原明子さんはどう考えるのだろう。プロジェクトの目的や社会の赤ちゃんへの寛容度などについて感じることを聞いた。

●紫原さん「赤ちゃんに寛容な人、目立たないけど社会に多いはず」

ーー日本国内で「赤ちゃん入店お断り」の店舗があることをどう思いますか

「基本的には、少子高齢化がこれだけ深刻な時代に、赤ちゃんを大切にしよう、社会で歓迎して、みんなで育てようという意識は当然ながらもっと多くの人が持つべきだと思います。

一方で、赤ちゃん入店お断りの店があることそのものは、決して悪いことではないとも思います。大人になってからしか入れない店があるというのは、子どもが大人になることを楽しみに思う理由の一つになるはずなので」

ーー赤ちゃんの存在を「うるさい」と邪魔者扱いする人の意識は変えられないでしょうか

「本来、『泣いてもいいよ!』ステッカーには、赤ちゃんを邪魔者扱いする人の考えを変えるという目的はありません。

赤ちゃんがうるさいと思う人は目立つけれども実際は少数で、赤ちゃんに寛容な人の方が、目立ちはしないものの社会には多い『はず』、という希望を可視化することが目的のプロジェクトだからです。

また赤ちゃんの声をどう感じるかというのもその人の自由です。ただ、社会では色んな人が少しずつ我慢をして、多様な人を受け入れていかなくてはいけません。暴言をもって邪魔者扱いするというのは大人として不適切な振る舞いで、そのことは理解してもらう必要はあると思います。でも、どうすればいいかというと、とても難しいですね」

ーー子育て経験がないと、赤ちゃんが泣きやまないことが理解できなかったりするのでしょうか

「そういう場合もあるようです。親の怠慢で泣きやませないとか、オムツや空腹など、原因があるときしか赤ちゃんは泣かないと思っている人もいます。なので、まずはそうではないということを知ってほしいなと思います。

また、赤ちゃんへの基本的な理解はあるけれども我慢ができずに暴言を吐いてしまうという場合には、その人自身が抱えている問題やストレスが原因となっていることもあるのかもしれないと思います。その人が苦しさを誰かに打ち明けられるといいのかもしれません」

ーー赤ちゃんに寛容になれない大人がいるのは、どうしてだと思いますか

「大人に余裕がないことが一因としてあると思います。余裕がないので、遊びなど享楽のバリエーションも少ない。そのせいか大人たちが、自分より自由で楽しそうな子どもを羨む空気を感じることもあります。

自分が苦しいのにこれだけ我慢しているのだから、周りも我慢するべきだ、自分以外の誰かが優遇されるのは許せない、というような不幸の押し付け合いがもともとあって、子どもさえその対象となってしまうというのは、とても悲しいことだと思います」

●平愛梨さん「ジムや少しの時間のカフェもご遠慮ということでした…」

<※平愛梨さんがブログにつづった内容の一部>

「子どもが誕生して約3ヶ月間海外生活だった私は日本で過ごした夏の3ヶ月間の環境の違いに戸惑うこともありました。子どもに対するルールが全く違うこと!トルコは時間に関係なく、基本子どもはどこの場所へ連れて行くことも許される。

ジムやカフェ、デパート、飲食店など。行けば居合わせた人や店員さんまでもが近寄ってくれて子どもを抱き上げてくれたりあやしてくれます!親になった私は、何よりもたまらなく嬉しいことです。でも日本では子どもが行ける場所は限られてしまい、ジムや少しの時間のカフェもご遠慮ということでした…」

(弁護士ドットコムニュース)

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