2018年08月23日 15時21分

「やっぱり夫と法的に結婚したい」17年事実婚の妻が涙の訴え 第二次夫婦別姓訴訟

「やっぱり夫と法的に結婚したい」17年事実婚の妻が涙の訴え 第二次夫婦別姓訴訟
東京地方裁判所立川支部

夫婦別姓の婚姻届が受理されず、法律婚ができないのは違憲だとして、全国3カ所で提訴、国を相手に損害賠償を求めている第二次夫婦別姓訴訟。その一つで、東京地裁立川支部(見米正裁判長)で提訴された裁判の第1回口頭弁論が8月23日、開かれた。

口頭弁論では、原告である事実婚夫婦がそれぞれ意見陳述。妻は「私と夫は『お互いに相手が改姓することを望まない』という、その一点のみのために、法律上の夫婦になることができず、17年が経ちました」と涙で声を詰まらせながら訴えた。国は争う姿勢を示している。

この訴訟は、2015年に最高裁まで争った夫婦別姓訴訟判決を受け、今年5月に新たな争点で提訴されたもの。夫婦同姓を義務付けた民法750条は、同姓を希望する者と別姓を希望する者を差別し、結婚の可否を生じさせていると主張、「信条」による差別を禁止している憲法14条1項に違反するなどと訴えている。東京地裁と同立川支部、広島地裁の3カ所で裁判を起こしており、立川支部では事実婚夫婦3組である6人が原告となっている。

●事実婚のままで、もしも配偶者が倒れたら…?

口頭弁論で、看護師であり、都内の訪問看護ステーションの副所長を務めているという妻は、「私の名前は、母が姓とのバランスや字画をふまえて名づけたものです。私は生まれて以来、フルネームを『自分を表す名前』として育ち、この名前で登録された資格で仕事をし、家庭を築いています」と説明した。看護師などの国家資格は、原則的に戸籍名での登録であり、多くの職場で旧姓を通称使用が認められていないという。

女性は2001年に結婚した際、夫婦で話し合い、お互いのフルネームを大事にすることを望んだ。1996年に選択的夫婦別姓制度導入を求める法制審議会の答申案が出されていたこともあり、「制度が実現するまでは」と事実婚で結婚生活を始めた。

しかし、「法律上の夫婦になることができず、17年が経ちました。2015年の夫婦別姓訴訟における最高裁の判決後、法律的な夫婦になるのは半ば諦めていましたが、夫婦別姓を希望している方々と思いを共有するうちに、『私はやっぱり夫と法的に結婚したいのだ』『社会的にも夫婦として認められたいのだ』という気持ちを新たにしています」と涙ながらに訴えた。

夫も意見陳述を行い、「今は現行の法律に合わせるしかありませんが、長くかかっても、間違いなく認められるようになるだろうと思っておりました。しかし子供達も成長し、自分は老いに向かって行くことを感じるようになり、定年までの折り返しも過ぎてきました。やはり同姓で法律婚をしている方達と同じ権利を得られるように早くなってほしいと願うようになりました」と提訴した理由を語った。

事実婚のままでは、妻が生命保険の受取人や遺産の相続人になれず、今後もし夫婦の一方が働けなくなったら、法律婚夫婦のように扶養家族としての優遇制度を利用することもできないとして、「私たち2人の選択は、何かに強制されたものでもなく、お互いに望んで同姓になった方達と何も変わらないと思います。もちろん誰かに不利益を与えているものでもありません。選択的夫婦別姓制度が早く認められることを切に望みます」と訴えた。

次回の口頭弁論は11月8日に開かれる。

(弁護士ドットコムニュース)

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