「ハローキティ」など、人気キャラクターの商品企画・販売を手がけるサンリオに対して、欧州連合(EU)の欧州委員会は6月中旬、EU域内での販売やオンライン販売を妨げて、EU競争法に違反した疑いがあるとして、正式に調査に乗り出したことを発表した。
欧州委員会の発表によると、サンリオのほか、米スポーツ大手のナイキ、米ユニバーサル・スタジオの3社についても調査をおこなう。べステアー欧州委員は「3社のライセンスや販売の慣行によって、消費者の選択肢が狭まったりしていないかを調査する」としている。
そもそも、EU競争法はどのような法律なのだろうか。もし仮に、その違反が認められた場合、どういう制裁があるのだろうか。籔内俊輔弁護士に聞いた。
●多額の制裁金の支払いも
「『EU競争法』は、一言でいえば、欧州連合(EU)での日本の『独占禁止法』に相当する法規制ということができます。
ヨーロッパ諸国が加盟しているEUでは、加盟国間の条約などによって、EU域内のさまざまなルールを定めています。
そのなかで、市場における競争に悪影響を与える企業等の行動について規制をしている部分を総称して、『EU競争法』と呼ぶことが一般的です」
もし仮に、EU競争法に違反していたことが確認された場合、どのような制裁が下されるのだろうか。また、EU域内で、サンリオのグッズ販売ができなくなったりする可能性はあるのか。
「調査の結果として、EU競争法違反となるライセンス先への制限等があった場合、欧州委員会は、EU競争法に違反をした企業に対して、そうした制限を取りやめることや多額の制裁金の支払いを命令することが考えられます。
販売に関する制限が市場の競争での企業活動の自由を奪っていることが問題なのであり、商品そのものに問題があるわけではありませんから、商品の販売自体が禁止されることは想定しにくいです」