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2014年11月08日 15時28分

下着みせて「チラっしゃいませ」 女子高生が働く「ガールズバー」が摘発されたワケ

下着みせて「チラっしゃいませ」 女子高生が働く「ガールズバー」が摘発されたワケ
女子高生を売りにした「JK産業」が問題視されている

東京・町田市にある「ガールズバー」の男性店長が、許可を得ずにホステスに接待をさせていたとして、10月下旬、警視庁に逮捕された。逮捕の容疑は風営法違反(無許可営業)という。

報道によると、この店では、女子高生12人を含む約20人が従業員として働いていて、客が入店した際に「チラっしゃいませ」と下着を見せたり、コスチュームを目の前で着替えるサービスなどをおこなっていたという。

近年人気のガールズバーだが、このように摘発を受けたというニュースがたまに話題になる。今回のケースは、どんな部分が法律に触れたのだろうか。また、こうした事件が起きるのは、どのような背景があるのか。風営法にくわしい山脇康嗣弁護士に聞いた。

●客を「接待」する場合は「風俗営業許可」が必要

「法律上、『客の接待をして、客に飲食をさせる営業』を行う場合には、風俗営業の許可を取らなければなりません(風営法2条1項2号)。

報道によると、今回のガールズバーは、店内で『接待』をしていないという建前のもと、風俗営業の許可を取っていなかったようです。

しかし、従業員が客に対し、下着を見せたり、コスチュームを目の前で着替えるサービスなどをおこなっていたということですから、客の『接待』をしていたといわざるをえないでしょう」

接待とは何だろうか?

「ここでいう『接待』とは、単なる『接客』とは異なります。少しむずかしいですが、『歓楽的雰囲気を醸し出す方法によって客をもてなすこと』という意味です。

たとえば、次のような行為は『接待』にあたります。

(1)特定の客の近くにはべって、継続的におしゃべりの相手となり、酒を提供する行為

(2)身体を密着させたり、手を握るなど客の身体に接触する行為

(3)客の口元まで飲食物を差し出し、飲食させる行為

裁判例では、客が女性従業員とじゃんけんをして5回勝つと、その従業員がはいている下着をもらえるというサービスについて、『接待』にあたると判断した事例があります」

結局、こうしたサービスを提供するなら、きちんと風俗営業許可を取らなければならないということだ。

●「ガールズバーは風営法上の許可がいらない」という誤解がまん延

山脇弁護士は「最近、ガールズバーが風俗営業の許可を取らずに摘発される事件が目につきます」と指摘する。なぜだろうか。

「まずは、『カウンター越しの接客は、接待にあたらないから許可は不要』という誤解が業界にまん延していることです。

しかし、その解釈が誤りであることは先ほど述べたとおりです。カウンター越しであっても、客にカラオケを勧めたり、一緒にゲームをしたり、客が従業員のドリンクをおごるレディースドリンクなど、歓楽的雰囲気を醸し出す事情があれば、『接待』にあたります」

なぜ、店側は「風俗営業」の許可を取らないのか。

「風俗営業ということになると、風営法上のさまざまな制約を受けることになります。

たとえば、風俗営業であるキャバクラは、深夜営業や客引きが禁止されています。そのうえ場所的な縛りが厳しく、店内の構造も制約されます。

営業者側にとって、このような『デメリット』が多いため、営業者が許可を取りたがらないことがあります」

だからといって、無許可営業で処罰されるのは、もっとダメなわけだが・・・。

●従業員の年齢や性別は「接待」には関係ない

ところで、今回の「ガールズバー」は、15歳から18歳までの女子高生を働かせていたと報じられている。従業員の年齢は関係ないのだろうか?

「『接待』にあたるかどうかという点に限って言うと、従業員の年齢や性別は関係ありません。女子高生であろうと、男性(ゲイバーなど)であろうと、『接待』にあたりえます。

しかし、風営法および労働基準法上、18歳未満の者に客の『接待』をさせるなどの行為は禁止されています。

今回のガールズバーは、18歳未満をホステスとして雇っていたということですから、こうした余罪についても追及されることになるでしょう」

山脇弁護士はこのように説明していた。

(弁護士ドットコムニュース)

山脇 康嗣弁護士
慶應義塾大学大学院法務研究科修了。入管法・国籍法のほか、カジノを含む賭博法制や風営法に詳しい。第二東京弁護士会国際委員会副委員長。主著として『詳説 入管法の実務』(新日本法規)、『入管法判例分析』(日本加除出版)、『Q&A外国人をめぐる法律相談』(新日本法規)がある。
所在エリア:
  1. 東京
  2. 千代田区
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