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「やりたい放題は困る」太田光さん、「裏口入学」報道で勝訴 会見詳報
爆笑問題の太田光さん、持ちネタ「プシュー!」(2020年12月、東京都・新宿区、弁護士ドットコムニュース)

「やりたい放題は困る」太田光さん、「裏口入学」報道で勝訴 会見詳報

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんが、日本大学芸術学部に裏口入学したとする『週刊新潮』の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の新潮社を相手取った裁判で、東京地裁(田中孝一裁判長)は12月21日、同社に440万円の支払いと、ネット記事の削除を命じる判決を言い渡した。

太田さんは同社に約3300万円の損害賠償と、記事の取り消し、謝罪広告の掲載を求めていた。

謝罪広告の掲載は認められなかったが、勝訴判決を受けて、「記事は法廷では認められなかった。ことあるごとにテレビラジオで一生言わせてもらう」と会見で語った。

●名誉毀損について認められた

問題となったのは、週刊新潮(2018年8月16・23日号)の「爆笑問題『太田光』を日大に裏口入学させた父の溺愛」というタイトルの記事。太田さんの父親(故人)が日大側に800万円を支払ったことなどを報じた。

太田さんは当初から、記事について事実無根とし、10月1日の尋問でも同様の主張を繰り返していた。

太田さんの代理人・松隈貴史弁護士は、判決について、「名誉毀損に関する部分は全面的に認められたと理解している」と評価した。

●芸能人「名誉毀損報道」。やられたままはよくない

会見冒頭、太田さんは「多目的トイレを利用してしまったことに関して、ひとことお詫びしたいと思います」と挨拶するなど、ときおりジョークをまじえながら、裁判を振り返った。

「私には一銭も入らないわけで、なにしろおこづかい制ですからね」

440万円という賠償額に、特段の感想はなかったが、芸能人への週刊誌の名誉毀損が認められたことには、「社会的意義として、こういうことが前例となることは非常に重要」とする。

「タレントとしては(裁判は)正直めんどくさい。やりたい放題にやられちゃうと、今後も他の人たちにとってもよくない。芸能界を代表して立ち上がる意思はさらさらないけど、ここまでするなよと公に訴えたい」

●裏口入学は正直「わからない」

記事自体、事実無根であるという考えに変わりはない。しかし、裏口入学の存在については「正直言うと、わからないというのが本音です」とし、「8対2でナシくらいかな。たぶん」と気持ちを述べた。

高度経済成長期を派手に生きた父親が必ずしも真面目な生きかたをしていたのかどうかはわからず「僕の口からは絶対に潔白とは言えない」とする。

ただし、記事中の、父親が反社会的組織の関係者とかかわりがあったかのような描写については強く否定した。

「僕は親父が裏口やってようがいまいがどうでもよくて。親父がヤクザにペコペコ頭下げた。親父はそんなことするイメージではなかった。少なくとも俺にはそれを見せなかった。してても尊敬は変わらないけど、そんなイメージを世間に撒き散らしたのが許せない」

爆笑問題の太田光さん(右)、代理人の松隈貴史弁護士 爆笑問題の太田光さん(右)、代理人の松隈貴史弁護士

●週刊新潮は控訴を表明

会見は午後1時からスタート。ネットには今も、「爆笑問題「太田光」に裏口入学の過去発覚 コンビ結成の“日大芸術学部”入試」とするデイリー新潮の記事が掲載されたまま(午後3時30分確認)。

週刊新潮編集部は、弁護士ドットコムニュースに「裁判所が記事の真実性、信憑性を認めなかったのは残念であり、大変遺憾」とコメント。ただちに控訴する考えを示した。

会見を見守ったタイタンの太田光代社長は「最高裁まで争う」と話した。

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