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帰省中「親の車」で人身事故を起こしてしまった…保険の範囲外の場合、どうなる?
写真はイメージです(muku / PIXTA)

帰省中「親の車」で人身事故を起こしてしまった…保険の範囲外の場合、どうなる?

実家に帰省して、親の車で人身事故を起こしてしまった場合、どうすればいいのでしょうかーー。ネット上では、そんな体験談が多数投稿されている。

ある投稿では、「操作間違えてケツ掘ってしまった・・・  幸い相手の車に乗ってた3人に大きな外傷は見られなかったけど2人が少し体に痛みがあるって言ってた」と、親の車で人身事故を起こしてしまったことを打ち明けている。

そうなった時に、重要になってくるのが、自動車保険(任意保険)の運転者として、子どもが入っているかどうかだ。もし、本人限定や、本人・配偶者限定となっていた場合、子どもは保険の対象外となってしまう。

もし、保険の対象外ということになってしまうと、その後の対応はどうなるのか。河野祥多弁護士に聞いた。

●自賠責保険でカバーできる部分はあるが・・・

「今回のテーマとなっている事故は任意保険の対象外とのことですが、任意保険とは別に、強制加入の自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)がありますので、まずは、自賠責保険の加入の有無を確認しましょう(通常は車検の時に強制的に加入させられています)。

自賠責保険は、被害者のために車両ごとにかけられた保険ですので、任意保険が対象外で使えない場合でも、自賠責保険では保険の対象となります。

もっとも、自賠責保険の対象は、相手方被害者の傷害・死亡等の損害を対象としており、車両等の物については対象外となります。また、傷害による損害の場合にも、原則として120万円が保険額の上限となります」

自賠責保険の対象外の部分についてはどうなるのか。

「自賠責保険で賄えない場合には、運転していた人(加害者)の自己負担となりますので、事故によっては、かなり多額の負担が発生する可能性があります。

また、任意保険に入って入れば、示談交渉は保険会社が代行しますが、そうでなければ、事故対応については、ご自身で対応することになります。弁護士に依頼して、交渉をするケースもあるでしょう。

どんなに注意していても交通事故の加害者になる可能性がある以上、被害者の方のため、そして自分自身のためにも、必ず任意保険には加入するようにしてください。そして、今回のように、他人の自動車を運転するときには、たとえ家族であっても、保険の範囲について気を付けてください」

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プロフィール

河野 祥多
河野 祥多(こうの しょうた)弁護士 むくの木法律事務所
2007年に茅場町にて事務所を設立以来、個人の方の相談を受けると同時に、従業員100人以下の中小企業法務に力を入れている。最近は、ビザに関する相談も多い。土日相談、深夜相談も可能で、敷居の低い法律事務所をめざしている。

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