弁護士ドットコム - 無料法律相談や弁護士、法律事務所の検索

2013年10月19日 18時15分

テレビでおなじみ「負けたら食事代おごり」のゲーム 「賭博罪」にはならないの?

テレビでおなじみ「負けたら食事代おごり」のゲーム 「賭博罪」にはならないの?

参加者が金額を見ずに料理を注文していき、あらかじめ設定された金額に近づける。もっとも遠い金額になった者は、他の参加者の分まで「自腹」で食事代を支払わなければならない――。バラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の人気コーナー「ゴチになります!」でおなじみのゲームだ。

最近では、他のテレビ番組でも「負けたら全員分を自腹で支払う」ゲームを見かけるようになってきたが、よくよく考えてみると、金額を当てるというこのゲームはギャンブル性があるようにも思える。また、他人の分まで「おごる」というルールには相当な金銭がからむ話だ。これは刑法で禁じられた「賭博」にあたらないのだろうか。伊藤諭弁護士に聞いた。

●一見「賭博」にあたりそうだが……

「『賭博』とは、確実に予見できない事実に関して勝敗を決することで、お金や価値のあるものをやりとりすることをいいます。

最初から勝ち負けが決まっていなければ、それぞれの腕前や才能などによってその確率に違いが出ても賭博といえます(賭けゴルフや賭け麻雀など)。

賭博罪にあたると、50万円以下の罰金または科料(刑法185条)、常習賭博の場合は3年以下の懲役(刑法186条第1項)になります」

それなら、番組でやっている内容は、まさに「賭博」に該当しそうだが……。

●その場の食事や飲み物代なら賭けてもOK

「この番組は、頼んだ料理の値段を当てて、もっとも遠い金額になった人がその食事代金を支払うというものですので、この定義からすると『賭博』にあたることになります。

ただし、これには例外があって、『一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる場合』は賭博罪にはあたらないのです(刑法185条ただし書)」

どういうことだろうか?

「わかりにくい言葉ですが、すぐに使ってなくなってしまう物、食事や飲み物などを賭けたに過ぎない場合には、賭博罪として処罰されないのです。

今回、番組で賭けている物は、その場ですぐになくなってしまう食事の代金に過ぎませんので、賭博罪で処罰されるようなことはなさそうです」

なるほど、関係者がその場で消費する食べ物や飲み物、その支払いを賭けて行うゲームは賭博罪にならないということだ。それでは、すぐなくなるような少額の現金だったらどうだろう?

伊藤弁護士は「現金を賭けた場合には、金額がたとえ少額であっても賭博罪に該当します」と注意を促していた。

法律上、現金を賭けることは、金額にかかわらず問題であるようだ。友人たちと興じたゲームでうっかり御用……という事態に陥らないため、このあたりの線引きはしっかりと把握しておくべきなのかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

伊藤 諭弁護士
1976年生。2002年弁護士登録。横浜弁護士会所属(川崎支部)。中小企業に関する法律相談、交通事故、倒産事件、離婚・相続等の家事事件、高齢者の財産管理(成年後見など)、刑事事件などを手がける。趣味はマラソン。
所在エリア:
  1. 神奈川
  2. 川崎
  3. 川崎区
弁護士ドットコム 協力ライターの募集中!募集要項はこちら

この記事へのコメント

Facebook

弁護士コメント

本コメント欄は弁護士のみ書き込むことができます。
コメントを投稿するにはログインが必要です。

※ご利用の際は弁護士ドットコム利用規約及びFacebook利用規約を遵守してください。
※弁護士ドットコム株式会社はコメントの内容等によっては通報等の措置を取ることができるものとします。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して弁護士ドットコム株式会社は一切の責任を負いません。