2019年01月30日 09時49分

「無職の子ども」家から追い出せる? 家財を無断で売られ、もう限界

「無職の子ども」家から追い出せる? 家財を無断で売られ、もう限界
写真はイメージです(プラナ / PIXTA)

無職の子どもを、家から追い出すことはできますかーー。弁護士ドットコムに対して、このような相談がありました。

相談者によると、子どもは成人しているとのこと。なかなか外に出てくれないのか、途方に暮れている様子です。他の相談者からも、無職の子ども(30代)が家に置いてある時計やバッグを無断で売ってしまい困っている、という声が複数寄せられています。

このような場合、家族としては追い出すことができるのでしょうか。河内良弁護士に聞きました。

●子どもが成熟しているかが重要な要素

ーー親は子どもに対して、どのような義務を負っているでしょうか

「まず、親であり子であるということは、法律上は『直系血族』ですので、お互いに扶養する義務があります(民法877条1項)が、それ以外のことは法律で明確には定められておらず、実務上の運用を参考にせざるを得ません。

また、扶養を受ける者と扶養をする者の間で、扶養の内容や程度について見解の対立がある場合には、家庭裁判所による扶養調停(不調の場合は審判)の手続を利用し、裁判所の関与のもとで決めるほかに方法がありません」

ーー子どもが未成年であるうちは責任は重いのでしょうか

「はい。一般的には、親の子に対する扶養義務は、特に子が未成年である間は重いものとされ、親自身の生活水準をある程度犠牲にしても果たすべきものと解されています。

しかし、子が成熟(「成年」ではない)している場合には、親の子に対する扶養義務は、前述のような重いものではなく、あくまで、親自身の生活に余裕がある範囲で果たせばよいものと解されています」

ーー単純に年齢ではなく、経済的な自立が期待できるかなど「成熟」度合いが重要な要素ということですね

「はい。問題は、子が成熟しているかどうかです。ただこれも、当事者間に対立がある場合には一方の意向だけで勝手には決められず、最後は家庭裁判所の判断を仰ぐことになります」

●困ったら、早期に裁判手続きの利用を

ーー子どもが自立しないことに加え、家族のものを無断で売り払うなどの行為をした場合、追い出すことはできますか

「結局のところ、親が所有権(自己所有の家の場合)もしくは賃借権(賃貸家屋の場合)を有する家から、その権利を行使して子を追い出す(=退去明渡しを求める)ことができるかという問題に尽きます。

扶養の内容および程度を定める一環と理解するなら、親の側から家庭裁判所に扶養の調停を申し立てることができますし、単純に明渡しを求めるなら地方裁判所もしくは簡易裁判所に明渡請求訴訟を提起することもできます。

最終的に追い出すことができるかどうかは、弁護士が決められることではなく、裁判所が決めることですから、早期に裁判手続を利用されることをおすすめします」

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

河内 良弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。

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