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原発避難でいじめ、原告団が声明「報道は氷山の一角」「大人の世界でも嫌がらせ」
原告団による記者会見の様子

原発避難でいじめ、原告団が声明「報道は氷山の一角」「大人の世界でも嫌がらせ」

東京電力福島第一原子力発電所の事故後、福島県から避難した子どものいじめ被害が各地で発覚したことを受けて、原発被害者訴訟原告団全国連絡会が12月22日、声明を発表した。「報道された原発避難者の子どもに対するいじめは氷山の一角」「子どものみならず、大人の世界でも、心ない仕打ちや嫌がらせという事態が続いているのが実情」と事態の深刻さを指摘している。

声明によると、裁判の中でも、「福島県民と分かると差別されるので、出身地を言えない」などの事例があげられており、「被害者である避難者が、被ばくを避けるためにやむを得ず行なっている避難生活について、心ない批判や理不尽な仕打ちを受けることは、まことに残念な事態です」と言及している。

同日、東京・霞が関の司法記者クラブで開かれた記者会見で、東京原告団長の鴨下祐也さんは「放射能とか菌と呼ばれたり、『タダで東京に住んでいるのか』と言われたという事例も聞いている。賠償金は取り返しのつかない汚染をした償いで支払われていて、宝くじが当たったというような性質ではないのに、お金が転がり込んできたという認識をされているのではないか」と述べた。

同連絡会事務局長の佐藤三男さんは「特定のいじめの犯人探しをするのではなく、いじめの背景にある原発被害者の実態を知って理解を深めてほしい」「子どもだけではなく、被害者全体に対する差別、いじめが起きていると捉えてほしい」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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