「息子の小学校でポケモンGOが完全禁止になってしまった」。そんな事実を息子にどう伝えようか悩む投稿が、ネット上の掲示板で話題になった。
投稿者の息子が通う小学校では、夏休みに入り、生徒たちがポケモンを探して他人の庭や線路に立ち入ったり、塾帰りにポケモンGOをしていて不審者にからまれたりするトラブルが相次いでいるという。学校側にも苦情の電話が何件も入ったため、学校側は夏休み中の「ポケモンGO」を禁止することに決めた。登校日に「ポケモンGO」のアプリをスマホからアンインストールさせる措置をとるそうだ。
この投稿に対して、「トラブルになっているのなら仕方ない」と学校の対応に理解を示すコメントもあったが、「学校がそこまで干渉すべき問題なのか」「どう考えても家庭の問題」と批判的な意見もあった。
トラブルを避けるためとはいえ、夏休み中の小学生に対して、学校以外の場所で「ポケモンGO」で遊ぶことを禁止する措置は問題ないのか。宮島繁成弁護士に聞いた。
●生徒・児童の学校外の行為、どこまで干渉できる?
学校は、児童・生徒の学校外の行為をどこまで規制できるのか、これは古くて新しい問題です。
古くは、いわゆる「3ない運動」という運動がありました。これは、バイクの免許をとらせない、買わせない、運転させないというものです。免許をとると学校から処分を受けることもあり、裁判になったケースもあります。中には最高裁まで争われたものもあります。
新しい問題としては、高校生が学校外で政治活動をすることを許可制や届出制にできるかという議論があります。これらは親の権利・義務や子どもの権利との兼ね合いで問題となります
今回の問題について考えてみると、「ポケモンGO」については、立ち入り禁止区域への立ち入りや、歩きスマホなどが問題となっているようですが、ゲーム自体が違法なわけではありません。健康や安全を害するとも言えません。
ですので、安全な遊び方や、立ち入っていい区域とそうでない区域を子どもに伝えるなどして、親が適切に対処することは可能なのではないでしょうか。
学校が教育的観点から使用方法を注意するのはいいとしても、禁止したり、強制的にアンインストールさせたりすることはやりすぎでしょう。
したがって、アンインストールなどの措置に従わない子どもを、学校側が不利益に扱うことも認められないと考えます。