「くそばばあ」
俳優の国仲涼子さんが、小学5年の長男からこんな言葉を投げつけられたことを明かし、話題になっています。
国仲さんは、10月7日発売の雑誌「VERY NaVY」11月号のインタビューで、子育て中のエピソードを披露しました。国仲さんは2014年に俳優の向井理さんと結婚し、現在は2人の息子を育てています。
きっかけは、国仲さんがゲーム機を隠したことでした。長男は友だちとゲームで遊ぶ約束をしていたようですが、国仲さんは「私との約束を守れていないのにゲームを渡すことはできない」と譲らず、言い合いの末に「くそばばあ」という言葉が飛び出したといいます。
国仲さんは「怒りとショックを覚えた」と振り返る一方、「これが噂の!」と、成長の記念のように感じる自分もいたそうです。「やり場のない苛立ちを私にぶつけてくれる分はいいのかなと割り切って考えるようにしています」と心境を語っています。
また、インタビューでは、小学3年の次男が赤ちゃんだったころ、育児に限界を感じた経験も打ち明けました。
家でも外でも泣き続ける次男を抱っこする毎日に、「私が壊れてしまうかもしれない」と追い詰められ、片っ端から保育園に電話をかけたそうです。
その日のうちに面接してくれた保育園で、「お母さん、昼間はここで面倒を見るのでお昼寝してください」と声をかけられた瞬間、涙が溢れ出たといいます。
インタビューの内容が10月14日にニュースサイトでも配信されると、Xでは「くそばばあ」「国仲涼子」がトレンドに入るなど、反響を呼びました。
国仲さんのように受け止められればいいものの、毎日のように暴言を浴びせられれば、親だって傷つきます。どうしても割り切れず、心がすり減ってしまう人もいるでしょう。
わが子から「くそばばあ」と言われたとき、親はどう向き合えばいいのでしょうか。家族の問題にくわしい原口未緒弁護士に聞きました。
●子どもの「くそばばあ」は罪になる?弁護士は「まずならない」
──小学生の子どもから「くそばばあ」と言われた場合、法的に問題になることはあるのでしょうか。
親子げんかの範囲であれば、法律が出てくる話ではありません。
小学生の子どもが親に「くそばばあ」と言っても、法的な問題になることはまずないでしょう。
人をののしる言葉は侮辱罪にあたる可能性がありますが、成立するには、不特定または多数の人が知りうる状態で言ったこと(公然性)が必要です。
家の中での親子げんかで発した一言は、通常これにあたりません。また、そもそも14歳未満の子どもは刑事責任を問われません。
ただし、売り言葉に買い言葉で親の手が出てしまうようなことがあれば、話は別です。親御さんはグッと我慢しなければなりません。
親による体罰は法律で禁止されています。
なお、約束を守らなかったことを理由に、ゲーム機を一時的に預かるといった対応は、しつけの範囲内であれば問題にはならないでしょう。
●子どもの暴言に疲れ果てる親も…「夫の理解や協力が得られず」
──国仲さんは「成長の記念」と受け止めたそうですが、毎日のように暴言を浴びせられれば、そう簡単に割り切れないと思います。子どもの暴言や反抗に疲れ切ってしまった親に出会うことはありますか。
過去に私が扱った離婚案件では、お子さんの暴力が原因で、夫婦が別居することになったケースがありました。
受験を控えたお子さんの反抗を助長するような配偶者の言動に疲れ切った一方が家を出たケースもありました。
どちらも、子どもへの対応に苦慮する中で、パートナーの理解や協力が得られなかったことが原因の一つだったようです。もちろん、ほかにもさまざまな要因が考えられます。
──子どもからひどい言葉を投げつけられたとき、親はどう受け止めればよいのでしょうか。
国仲さんのように、子どもの言動を「成長の記念」と捉えるのも一つの方法です。
また、「機嫌が悪いのは、何か他の原因や背景があるのではないか」と考えてみるのもよいでしょう。
自分が悪いと受け止めるのではなく、親として、大人として、視野を広く持ち、余裕を持って受け止められたらよいですね。
●子育てが「もう限界」 弁護士がすすめる「話す」こと
──それでも、子どもの反抗や暴言に耐えられず、限界を感じたとき、親はどこに助けを求めればよいのでしょうか。
とにかく、誰かに話すことです。
友だちや兄弟姉妹、親など身近な人に相談するのもよいですし、女性相談窓口やカウンセラー、セラピストなどの専門家に話を聞いてもらうのもよいでしょう。SNSで気持ちをつぶやくことも、時には助けになるかもしれません。
専門家に頼ることをおすすめしますが、「料金がかかる」「敷居が高い」「他人には打ち明けにくい」と感じる人もいるでしょう。
その場合は、専門家でなくてもかまいません。まずは誰かに話を聞いてもらってください。
「話す」ことは「放す」ことでもあると、気軽に考えてみてください。話を聞いてもらうだけで、気持ちが軽くなることもよくあります。何より大切なのは、1人で抱え込まないことです。